内容説明
高田渡の詩精神と、反骨の原点に父がいた。生涯にたった一冊の詩集を残した詩人である父親と、フォークの吟遊詩人・高田渡の物語。盟友・中川五郎の「ライナーノーツ」を付す。
目次
明治の男、祖父高田馬吉の話から
燃えながら燻っている炎みたいな青春
この道の端れに明日はあるのかい
三代にわたる戦争嫌いの血筋
国敗れて山河あり、郷里北方での再出発
引越し貧乏一家の東京巡礼
深川ニコヨン・ブルース
「東京の穴」に墜ちた、父と息子たち
高田豊の死と四人の息子たちの巣立ち
父と仲が良かった佐賀の叔母さん
自転車に乗って駆け抜けた肥前鹿島の日々
フォークソング吟遊詩人の旅立ち
骨壷と花瓶―アディオス、渡!
疾風怒涛の京都フォークリポート
夕暮れに仰ぎ見る“私の青空”
著者等紹介
本間健彦[ホンマタケヒコ]
1940年、中国東北部(旧満州)生まれ。エディターズ・スタジオ街から舎主宰・ライター。『話の特集』編集者を経て、1969~72年までタウン誌『新宿プレイマップ』編集長。85年、株式会社街から舎を創立、編集・出版業務を始める。92年10月、インディペンデント・マガジン『街から』(隔月刊)を創刊(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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山田太郎
44
なんか最近フォーク関係よく読んでるなと。おやじは単に生活破綻者という気もするけど、そうでもなければかわった息子にもなんないよなと思ったけど、変わり者は末っ子だけでなんでそういうこともないのかな。だいたい聞いたことないけど、なんで読んだんだろう俺。2016/09/26
無識者
10
映画館でつい買ってしまった。高田渡の父親、豊の事を通して渡のルーツを探る。高田渡のダメ人間への許容に私は強く共感する。そのダメ人間というのは渡自身意図的かもしれないがそうだし、父豊もそうである。「漣」という詩にそっていうなら「みえるもの」を人のものと素直に認めてしまうのは「バカ」なのだが、渡にしろ豊にしろ「みえないもの」を求めて生きた。しかし最後の「腹減った」が肝で、それだけでは食っていけないという悲しい現実を突きつけられる。その詩の原作が高木護によるものらしいが絶版である。2017/07/06