内容説明
会社と第二組合が壊滅を図ろうとした三池労組は、差別と弾圧に屈することなく、労働組合の使命を守り抜いた。組合員は貧しさに耐え、誇りを失わず、ひたむきに生きた。三池の労働者と妻たちの信念を本書に綴る。
目次
1 隷従の民(鉄鎖の囚人;納屋生活の労働者 ほか)
2 三池労組の自己変革(経済復興への協力と犠牲;労働者の目覚め ほか)
3 三池闘争の展開(六〇〇〇人削減提案;指名解雇通告 ほか)
4 戦後最大の炭鉱災害(非情の差別;労働条件の悪化と災害急増 ほか)
5 閉山へ(さらなる合理化;裁判闘争の開始 ほか)
著者等紹介
真鍋禎男[マナベサダオ]
1943年大分県大分市で出生。1962年大分県立大分工業高校卒業、三菱電機株式会社入社。1972年三菱電機労働組合支部専従役員に就任。1982年フリーのルポライターとして独立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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スズキパル
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「総資本対総労働の闘い」と言われた三井三池闘争の記録。第二組合員の操業に対する会社側の海上補給を海上ピケ船を差し向けて妨害するなど、総評・炭労の支援による闘いのスケールの大きさがうかがえた。一方、三鉱連内での三池労組の孤立、職員組合との利害対立、「物取り主義」的な訴訟を起こす坑内事故被害者への三池労組の厳しい締め付けなど、組合運動の偏狭さを感じさせるエピソードも多かった。三井の販売市場を守るために石炭他社と協定を結び、三井炭の需要企業への救援炭の供給を取り付けるなど、三井鉱山側の裏工作も面白い。2016/02/25