内容説明
ヘイトスピーチは単なる暴言や憎しみの表現ではなく、本質的に差別である。社会からこれを無くすための、三つの取り組みを紹介する。一つは、川崎・桜本で明るく生きるオモニたちの暮らしと、この街を襲ったヘイトスピーチの落差を捉えた映画制作。二つ目は、なおも残る法と条例の限界を超えて進む法律家の人権意識。三つ目は、若者に向けられた民族差別についての朝鮮奨学会の実態調査。根強く続くヘイトと差別に対する、異なる視点・立場からの接近は多くのことを教えてくれる。
目次
第1講 絶望から希望を見出す―川崎桜本をめぐるふたつの物語
第2講 ヘイトスピーチ・ヘイトクライム根絶に向けて
第3講 差別実態調査から見るヘイト
著者等紹介
金聖雄[キムソンウン]
1963年大阪の鶴橋生まれ。在日2世。大学卒業後サラリーマン、料理写真家の助手を経て助監督。1993年からフリーの演出家としてスタート、PR映像やテレビ番組など幅広く活動。2004年にドキュメンタリー映画『花はんめ』を監督。以降、冤罪4部作などドキュメンタリー映画を中心に監督
師岡康子[モロオカヤスコ]
東京弁護士会外国人の権利に関する委員会委員、外国人人権法連絡会事務局長、人種差別撤廃NGOネットワーク共同世話人、国際人権法学会理事
權清志[クォンチョンジ]
1957年静岡県浜松の生まれ。韓国から来た1世の父親と大阪生まれの2世の母親を持つ。韓国民団傘下の学生会、青年会、青年商工会の会長を歴任。対民族差別闘争、外国人登録法改正運動、地方参政権獲得運動等に取り組んできた。近年、民団中央にて企画調整室室長に就き、国連ジュネーブでの人種差別撤廃委員会への要請活動、ヘイトスピーチ解消法成立に尽力してきた。公益財団法人朝鮮奨学会の評議員を経て2022年代表理事に就任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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