内容説明
カンボジア国境に近いタイの難民キャンプ。ヨーロッパの人道援助団体のボランティアとして医療・教育援助活動に従事するマリーは、キャンプから子どもが「消える」ことに気づく。やがて、タイの民間援助団体の仲間から、子どもたちは闇の組織の手で、あるいはキャンプを警備するタイの軍人たちによって、バンコクの売春宿に売られていることを知らされる。パリ、ジュネーブと児童援助団体をまわり、支援組織を整えて、ふたたびバンコクへ。ブルーの瞳に金髪、26歳の白人女性が、夜のバンコクの児童売春の実態を解明する手段はただ一つ、人道援助団体のタイ人青年とカップルを装い、売春宿で「子でもを買う」ことだ。売春地帯に潜入したマリーが出会った子どもたちは…。
目次
バンコク 子どものねだん
ブリュッセル サン=ピエール病院 一九八五年十一月二十日土曜日午前七時
タイ ファナ・ニコムキャンプの紙人形
ふたたびタイへ 手がかり
パタヤ 「ワニ男」に出会う
バンコク 闇の世界にふれる
『児童財団』『子どもの権利擁護センター』の仲間たち
モントリオール 「ワニ男」の世話をする
バンコク 中国マフィアからの警告
ナイロビ ケニアのフラミンゴ
ソンタを救うんだ!
「ワニ男」狩り〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
テツ
28
痛い。大人が自由意思で何をしようが構わない。身体を売ろうがどうしようが好きに生きたらいい。でもまだ小学生くらいのガキがクソみたいな大人の性欲を満たすために売買されている現実は絶対に間違っているし売る自由(そこに自由なんて存在していないだろうけれど)も買う自由も認めちゃいけない。こいつらが一人で生きていける力をつけるまで保護してやるのが大人の役目なのに性的対象として目を向け身体も金銭も搾取するような大人で世界が溢れている現実に反吐が出る。世界中のこどもが救われるようにと強く願う。基金とかあるのかな。探そう。2017/10/02
今庄和恵@マチカドホケン室コネクトロン
4
Amazonやこちらの他のレビューにもあるように、読むのきつかったですわー。他国では年端もいかぬ子どもを性的対象として扱い、自分のテリトリーではきっと良き父、良き夫、世間から尊敬される立場でいる。正論がいかに人の闇の部分を強化させるか、ってことがよくわかりますね。必要悪っていうけど、綺麗事だけですべてを片付けちゃだめだ。どっかに歪みが出てくる。清く正しくだけを人に求めたら、暗い部分は目に見えないとこで憂さを晴さざるを得なくなる。ダブルスタンダードを強化してしまったのもアメリカ的なものなのでは。2014/09/30
偽教授
2
えぐすぎて途中で投げ出した。最初の一章だけでなんていうかもう2011/12/16
kotte
0
バンコクにおける児童売春を追ったノンフィクションです。児童売春撲滅のために活動した著者の経験が書かれています。1997年発行の本で、今から20年以上前の話ですが、現状は良い方向に改善されていることを願います。2016/11/01
awa
0
とんでもなく文章が下手くそ。内容は興味深いが思考と事実と情景が混沌と入り交じり、有為と無為の情報が錯綜する文章が理解を阻む。センテンス一つ一つに何を伝えようとしているかの筆者の意志を感じない。文章のテンポもつっかえつっかえで読んでいて不快に感じる。人に見せるつもり無く書かれた他人の日記を読まされてる気分だ2014/12/18