内容説明
1970年に鮮烈に登場し、男社会をゆるがしたウーマンリブ。全国各地で生まれたリブのコレクティブ。現代の視点からその闘いを再読。
目次
序章 L文字とウーマンリブ
第1章 日本のウーマンリブの歩み
第2章 女だけのコレクティブ・リブ新宿センター
第3章 子育ての共有化をめざした「東京こむうぬ」
第4章 全国のリブのコレクティブ
第5章 優生保護法改悪をめぐる七〇年代リブの闘い
終章 リブのコレクティブが告げる「個」と「共同性」
著者等紹介
西村光子[ニシムラミツコ]
1944年、兵庫県姫路市で生まれる。1966年、京都大学文学部卒業。京都市役所に勤務。1970年、東京都大田区に転職。福祉職として障害者施設に勤務。2004年、退職後、東京都立大学社会学科で研究生として学ぶ。1986年に結成された「高津ネットワーク運動」に参加、現在は「自治市民・かわさき」(1997年「神奈川ネットワーク運動」から独立、2001年改称)で市民運動を続けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
no_one
0
東京、特に新宿のそれだけが取り上げられがちなリブについて、新宿と田中と引き比べる形ではあるものの、地域ごとの運動の経緯や課題の違いを取り上げた仕事。優勢保護法を巡って、揺れ、磨かれるリブの言葉。リブの、特にタイトルであるコレクティブ-共同性-の限界と可能性をどちらも見ようとする視点が印象深い。しかしやはり常に田中に帰ってくるのだな、とも。後半繰り返される「強いられた中絶は権利ではない」という句は、ますます自己決定“させられる”今日の私たちに力強く響く。2016/09/21
mori-ful
0
西村光子『女たちの共同体』に田中美津によるあの映画の批評があった。>「「女と男の対話の映画」だって? 対話なんてどこにあったの? 写す男が居て、写される女が居て…。もと自分の「亭主」だったというだけの理由で、ああも安心して心の柔らかい部分をあけ放してしまう、タケのお人好しさが悔しいョ」「なにが女の凄さだョ! その凄い女をうまくカメラに収めて、"出世"階段かけ上る男の方が、どう考えても役者が一枚上じゃないか、ケッ!」という評。2023/07/15