出版社内容情報
臨床心理学が本邦に移植されて半世紀、臨床心理士の資格認定が始まって20年。
本号では、21世紀の今日、直面する心理臨床的課題を取り上げ、「現代人の
異常性、再考」として検討します。次に、心理支援実践力の向上に取り組みます。
さらに、倫理の再構築に向けて、人間力育成を目指す心理教育について提言
します。
【主要目次】
■概説／心理臨床フロンティア―倫理の再構築に向けて（岡堂哲雄）
■Part1 現代人の異常性、再考
・「モンスター」の本態を見極める―犯罪心理と家族臨床の観点から（生島 浩）
・自殺と過労死の現実と心の危機管理 （白井幸子）
・超自我形成と異常行動 （村尾泰弘）
・宮崎勤事件にみる異常性 （森 武夫）
・秋葉原殺傷事件にみる社会精神病理 （進藤 眸）
■Part2 心理臨床的支援プラクティス
・子育ての心理臨床的支援 （大熊保彦）
・学習／社会参加の支援 （小澤 真）
・親離れ自立支援 （土沼雅子）
・パートナーシップ支援―カップル（夫婦）の問題を心理療法でどう扱うか（野末武義）
・病者と家族の心理ケア―がん患者を中心として （大木桃代）
・高齢者の心理臨床的ケア―回想面接 （萩原裕子）
・虐待を受けた子どもの心理的ケア―虐待に焦点をあてた心理療法 （西澤 哲）
・ドメスティック・バイオレンス被害者の支援 （藤代富広）
・災害被害者支援の臨床心理 （杉村省吾）
■Part3 人間力の育成を目指す心理教育
・人生初期における人間力の育成 （平野聖枝）
・関係体験不全の若者たち（学童期・青年期）への臨床実践的アプローチ
―医療・治療モデルでなく心理教育・リハビリモデルの重要性 （川上範夫）
・人間力育成のパラダイム・シフト
―ハーディネス（心の頑強さ）からリジリエンシー（心の回復力）へ（仁平義明）
