出版社内容情報
嘘をつかざるをえない人々、嘘をつけない人々、臨床現場・採用面接での嘘。
研究の捏造、目的の偽り、エセ科学、記憶の植え付け。だまし絵の作り方、
偽書がつくられる理由、仏教は嘘をどう考えるか。CMCでの嘘、嘘の言葉の
判別、コンピュータによる嘘の判別。嘘・真実の二分法を超えた嘘の多様な姿
と本質を考える。
【主要目次】
・はじめに/嘘は真実からの逸脱か?―二分法を超えて (仁平義明)
■臨床の場の嘘と虚構
・性同一性障害と嘘 (梅宮れいか)
・がん医療現場における告知と嘘 (村川康子)
・嘘をつく脳・嘘を見破る脳―社会的知性とその病理 (福井裕輝・神尾陽子)
・カウンセラーの脳/クライエントの嘘 (齋藤憲司)
・ロールシャッハテストをめぐる真実と疑惑 (宮崎謙一)
■捏造と研究の倫理
・シリル・バートはデータを捏造したのか (鈴木光太郎)
・記憶植えつけ実験はゆるされるか
―ジム・コウアンが巻き込まれた嵐のような出来事 (仁平義明)
・嘘による現実の追求?
―心理学におけるデセプション手続きの展開 (サトウタツヤ)
・モーツァルトは頭を良くするか
―「モーツァルト効果」をめぐる科学とニセ科学 (宮崎謙一・仁平義明)
・考古学における嘘 (時津裕子)
■嘘の芸術・歴史・宗教
・だまし絵のつくり方教室 (北岡明佳)
・偽書をつくる人々 (佐藤弘夫)
・仏教は嘘をどう考えるか
―人間の弱さと、救いのための嘘 (中野東禅)
■嘘を判別する
・CMCと嘘 (佐々木美加・岡本真一郎)
・言葉から嘘を見分ける
―CBCAとRMによる判別 (佐藤 拓・仁平義明)
・コンピュータによるウソの自動判別 (二瀬由理)
■コラム
・抑圧という自己欺瞞はあるか (仁平義明)
・採用面接でのウソ (石原正雄)
・嘘は女性の方が上手か (仁平義明・佐藤 拓)