内容説明
イタリアの小さな炒飯店で腕を振るう台腕の潜伏工作員、小艾はある日命令を受け、ローマで標的の東洋人を射殺する。だが根城に戻ったところを何者かに襲撃され、命を狙われる身に。一方、定年退職を12日後に控えた刑事老伍は、台湾で発生した海軍士官と陸軍士官の連続不審死を追っていた。やがて遺体に彫られた“家”という刺青が二つの事件をつなげ―。背後に蠢く巨大な陰謀とは!?
著者等紹介
張國立[チョウコクリツ]
輔仁大学日本語文学科卒業。『時報週刊』元編集長兼社長。数カ国語に通じ、歴史、軍事、各種兵器、スポーツ、美食文化、旅行、小説など幅広い分野に精通している。時報文学賞、皇冠大衆小説賞など受賞歴多数
玉田誠[タマダマコト]
神奈川県生まれ。青山学院大学法学部卒。台湾において日本ミステリの紹介や台湾ミステリの評論を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナミのママ
78
最後まで漢字名にあたふた、登場人物表をくりながらもページをめくる手が止まらなかった。インパクトのあるのはタイトルだけでなく中身も濃い。主人公は2人、イタリアで炒飯店を営む台湾の工作員で狙撃手の小艾と12日後に定年を控えた台湾の刑事老伍。命を追われる小艾と、事件を追いかける老伍。美女が絡まずロマンスのないハードボイルドは男臭さMAX。2つの事件が重なる第三部は読み応え抜群。台湾で実際に起きた「ラファイエット事件」が元になっているらしい。台湾政府や軍については何も知らなかったが、どこの国もいろいろあるんだな。2024/04/09
pohcho
54
タイトルに惹かれて読む。イタリアの小さな村で炒飯店を営む凄腕スナイパーと定年退職を12日後に控えた台湾の老刑事を主人公にしたハードボイルドミステリー。何者かにハメられたスナイパーと彼を追う刑事がいつしか協力関係になっていく。ミステリーはよく分からないところがあったけど、美味しそうな料理や刑事の日常が楽しかった。炒飯が作りたくなる。2024/08/28
りんご
50
このタイトルで一本釣り神帝されてしまいました。スナイパーのお話で、潜伏中は炒飯作っとります。炒飯要素はちょいちょい挟んでくるけど、しっかりとした工作員ミステリでした。誰の命令で誰を殺して誰に狙われてるのか。裏稼業は何を信じるべきなのか迷わされます。スナイパーは我慢。ああ、私、金カムイの尾形の事も好きだったんだわ。2024/07/16
M H
29
原題はTHE SNIPER。炒飯は邦題で足されたもの。よって炒飯不足である。ちなみに主人公は炒飯を作る狙撃手だけでなく、退職を間近に控えた刑事もいる。命を狙われるもの、連続不審死を追うもの。2人が交差してからはスケールアップ、ややこしい陰謀とアクションが繰り広げられる。真相の元ネタと台湾文化への理解が乏しいせいで、満喫するところまではいかなかったが、随所に同僚や家庭、料理のパートを挟んでいい感じ。ラストシーンも素敵で印象アップ。次こそもっと炒飯を。2024/07/14
maja
23
イタリアでテイクアウトの炒飯店を営む潜伏要員小艾は指令を受けたローマの暗殺が実は自分を嵌める罠であったと気がつく。かたや台湾、次々と起きる軍人殺人事件を担当する定年間近の老伍刑事は殺された彼らに共通するあるコトに気づく。漢字名が苦手で今まで避けるきらいがあったけどこれは面白かった。人名までなにかの食べ物に見えてくる多彩な台湾料理が次々とあがってきて興味深かった。最近手に入った台湾の鵞鳥油の使い道を考える。登場人物たちも立ちあがってきて上司の蛋頭とかいい感じだ。 2024/07/17