内容説明
「上をそそうに、下を律儀に」―山上宗二が残した茶書、『山上宗二記』において、茶人の在り様をはじめ、もてなし・茶室・懐石・灰形・取り合わせの在り様に至るまで提唱されていた「そそう(麁相)」こそ、数寄茶湯の原点であり、哲学である。藝道における修行論の研究を通して、「守破離」の「離」の境地、そこから生まれる「自然体」の姿としての「そそう」を見出す。東アジア三国を貫いて響きあう、「そそうの哲学」試論。
目次
序章
第1章 藝道における修行の段階論
第2章 『山上宗二記』における修行論
第3章 数寄茶湯の風体「そそう」
第4章 「守破離」
終章 「そそう」の現代的意義
著者等紹介
朴〓廷[ボクミンテイ]
韓国出身、芸術学博士(宝塚造形芸術大学大学院)。韓国外国語大学を卒業後、茶の道を求め、茶道裏千家専門学校で修行(裏千家みどり会奨学金を得る)。その後、裏千家ソウル支部で茶道師範として活動。「『山上宗二記』にみる茶人観」という論文で修士学位取得(中央大学 韓国)、韓国の大学で非常勤講師として活動後、ふたたび日本留学(平和中村財団の奨学金を得る)。茶室「陵風」設計プロデュース(2017)。現在、国際伝統藝術研究会幹事、世界禅茶文化交流大会コーディネーター、心茶会・茶の湯文化学会会員、西京大学韓日文化藝術研究所研究員(韓国、非常勤講師)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。