内容説明
1890(明治23)年、大阪で一つの広告代理店が創業した―その名は「萬年社」。戦前・戦後を通して日本を代表する広告代理店の一つとして、1999年に倒産するまでのおよそ100年の間に、同社が広告研究のために収集した広告資料や文献などの「萬年社コレクション」は、日本の黎明期広告業界の実態がうかがえる貴重な歴史的資料群である。本論集では、おもに萬年社の創業時から戦前までの紙媒体資料を用いて、同時代の広告業界をさまざまな角度から活写する。
目次
1 『広告の夜明け』と萬年社(「屋外広告界に雄飛をなす」―高木貞衛の夢と戦前大阪の屋外広告への熱意;萬年社と日本GM;萬年社における連合広告―歴史・意匠・企画を中心に;萬年社コレクションにみるアジアの新聞と広告)
2 「萬年社コレクション」から探る広告史(大阪の広告業界に生まれた「水曜会」百年の由緒;萬年社と博覧会―「京都こども博覧会」における新聞と広告;広告掲載料からみる雑誌メディア―萬年社『広告年鑑』が示した戦前雑誌の広告効果;アジア・太平洋戦争期における国家宣伝と広告業界―日本宣伝文化協会と『エホンニッポン』)
著者等紹介
竹内幸絵[タケウチユキエ]
同志社大学社会学部教授。歴史社会学、広告史、デザイン史
難波功士[ナンバコウジ]
関西学院大学社会学部教授。メディア史、広告論、文化社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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