古代太上天皇の研究

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古代太上天皇の研究

  • 中野渡 俊治【著】
  • 価格 ¥5,940(本体¥5,400)
  • 思文閣出版(2017/03発売)
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  • サイズ A5判/ページ数 275p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784784218875
  • NDC分類 288.41
  • Cコード C3021

出版社内容情報

 太上天皇とは、譲位した天皇のことである。太上天皇の存在は「大宝律令」に規定されたことに始まり、奈良・平安時代以降多くの天皇が譲位し、太上天皇となった。王位継承が譲位によって行われ、また前君主の地位が国家の基本法に規定されたことは、世界的にも類例は少ない。
 本書は、奈良時代から平安時代にかけての太上天皇を考察の対象として、律令法上の規定、『六国史』などの史書に見える実態や、上表文などに見る天皇や臣下との関係を分析。太上天皇の成立背景・存在意義から、譲位後の天皇や臣下との関係に迫り、太上天皇の地位の歴史的変遷を解明するとともに、太上天皇が、皇位継承や天皇の正当性の問題に深く関わる様相を明らかにした。

序 章 本書の視点             
第一節 八世紀の問題           
第二節 九世紀以降の問題       
 
 第一部 天智天皇と不改常典

第一章 奈良時代の天智天皇観――皇統の問題から
はじめに           
第一節 奈良時代における天智天皇の位置         
第二節 皇位継承と天智天皇            
第三節 天智天皇と藤原氏            
おわりに          

第二章 不改常典試論
はじめに                            
第一節 不改常典研究の論点                   
第二節 不改常典の用例と発言者    
(一)不改常典を用いる即位
(二)不改常典を用いない即位    
(三)桓武天皇以降の「天智天皇の法」
(四)不改常典の「発言者」       
第三節 聖武天皇と天智天皇                   
第四節 不改常典とは                      
おわりに                            


 第二部 奈良時代の太上天皇

第三章 八世紀太上天皇の存在意義
はじめに       
第一節 春名説に対する疑問       
第二節 太上天皇の行動の実例とその役割  
(一)叙位・任官の場における太上天皇――持統・元正・孝謙の場合 
(二)太上天皇の意思の伝達と影響力――元正太上天皇の場合
第三節 皇統の正当性の根拠としての太上天皇        
おわりに                

第四章 天平十六年難波宮皇都宣言をめぐる憶説
はじめに
第一節 難波宮「皇都」宣言の論点        
第二節 難波宮皇都宣言に至る経緯
(一)平城京から恭仁京・紫香楽宮へ
(二)難波遷都        
第三節 元正太上天皇の行動     
(一)大般若経転読
(二)和泉国での叙位     
(三)官人の動き       
第四節 難波宮と紫香楽宮     
(一)橘諸兄の「宣勅」    
(二)元正太上天皇と紫香楽宮 
おわりに                            

第五章 孝謙太上天皇と「皇帝」尊号
はじめに        
第一節 孝謙太上天皇への「皇帝」尊号奉献         
第二節 孝謙太上天皇の「大事小事」分離宣言        
第三節 孝謙太上天皇と紀寺奴の放賤従良問題       
第四節 孝謙太上天皇と皇統の問題
おわりに     

第五章附論 『続日本紀』天平宝字二年八月庚子朔条「上臺」考
はじめに                           
第一節 辞書における「上臺」の語釈              
第二節 『続日本紀』注釈書における解釈            
第三節 隋唐期における「上臺」の語の用例          
第四節 隋唐期以前の用例                   
第五節 南朝・隋・唐での使用とその背景            
第六節 日本への「上臺」の語の導入            
おわりに                           

第六章 藤原仲麻呂の大師任官
はじめに                           
第一節 大師と太政大臣                    
第二節 仲麻呂の大師任官 
(一)大師任官と孝謙太上天皇    
(二)天平宝字年間の太政官
(三)大師任官の背景にあるもの
おわりに                          


 第三部 平安時代の太上天皇

第七章 平安時代初期の太上天皇
はじめに                           
第一節 延暦の太上天皇 
(一)桓武天皇期の転換点
(二)延暦二十四年の内侍宣      
第二節 平城太上天皇  
(一)平城天皇の譲位
(二)平城太上天皇宮の機構      
(三)その後の平城太上天皇      
第三節 譲り合う天皇・太上天皇 
(一)嵯峨天皇の譲位
(二)太上天皇と上表     
(三)天皇・太上天皇間の上表 
おわりに                           
 
第八章 清和太上天皇期の王権構造
はじめに
第一節 太上天皇と摂政 
(一)藤原基経の摂政辞表
(二)藤原基経の左近衛大将辞表
(三)藤原基経の太政大臣任官
第二節 太上天皇と天皇 
(一)清和太上天皇と陽成天皇間の上表
(二)太上天皇の礼制的待遇  
第三節 宇多太上天皇の場合 
(一)清和太上天皇と宇多太上天皇との相違点
(二)太上天皇の意思伝達  
おわりに

補論 古代日本における公卿上表と皇位
はじめに                           
第一節 「上表」とは 
(一)「表」の字義
(二)日本令の上表規定  
(三)太政官の関与――『令集解』諸説の検討  
第二節 日本における上表の事例                
第三節 公卿上表と皇位継承
(一)皇太子の地位確認の上表        
(二)祥瑞出現に際しての上表――改元をめぐる天皇と臣下
(三)即位・立太子請願の上表
おわりに                      

終章 本書の成果と展望  


史料出典
初出一覧
本書で扱った期間の太上天皇 
あとがき 
索引

中野渡 俊治[ナカノワタリ シュンジ]
1972年青森市生。東北大学大学院文学研究科博士前期課程修了、同博士後期課程単位取得退学。博士(文学)(東北大学)。東北大学大学院文学研究科助手・助教、東北大学百年史編纂室教育研究支援者などを経て、現在、花園大学文学部日本史学科准教授。

内容説明

太上天皇とは、譲位した天皇のことである。太上天皇の存在は「大宝律令」に規定されたことに始まり、奈良・平安時代以降多くの天皇が譲位し、太上天皇となった。王位継承が譲位によって行われ、また前君主の地位が国家の基本法に規定されたことは、世界的にも類例は少ない。本書は、奈良時代から平安時代にかけての太上天皇を考察の対象として、律令法上の規定、『六国史』などの史書に見える実態や、上表文などに見る天皇や臣下との関係を分析。太上天皇の成立背景・存在意義から、譲位後の天皇や臣下との関係に迫り、太上天皇の地位の歴史的変遷を解明するとともに、太上天皇が、皇位継承や天皇の正当性の問題に深く関わる様相を明らかにした。

目次

第1部 天智天皇と不改常典(奈良時代の天智天皇観―皇統の問題から;不改常典試論)
第2部 奈良時代の太上天皇(八世紀太上天皇の存在意義;天平十六年難波宮皇都宣言をめぐる憶説;孝謙太上天皇と「皇帝」尊号;『続日本紀』天平宝字二年八月庚子朔条「上臺」考;藤原仲麻呂の大師任官)
第3部 平安時代の太上天皇(平安時代初期の太上天皇;清和太上天皇期の王権構造)
補論 古代日本における公卿上表と皇位

著者等紹介

中野渡俊治[ナカノワタリシュンジ]
1972年青森市生まれ。1995年慶應義塾大学文学部史学科卒業、1997年東北大学大学院文学研究科博士前期課程修了、2005年同博士後期課程単位取得退学。博士(文学)(東北大学)。中央大学附属高等学校教諭、東北大学大学院文学研究科助手・助教、東北大学百年史編纂室教育研究支援者などを経て、花園大学文学部日本史学科准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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