内容説明
本書はここ十年ばかり、筆者が多少なりとも近代日本の黎明期の外政機構における外交文書整備問題とはいったい何であったのか。そして「外交記録」の編集組織はいかにして確立されるのかを念頭におきつつ書き上げた論文の中から、主として「幕末期外交文書」の編纂に関係するものを選び、それに幾つかの新稿と「附録―解説と史料―」を加え、再構成したものである。
目次
「幕末外交文書」研究の沿革と本書の構成
徳川幕府外国方と外交文書整備問題
『通信全覧』編纂の経緯
『通信全覧』の構成の概要とその諸本
初期外務省と『続通信全覧』の編纂
太政官における幕末外交文書の編纂
内閣制度成立後の萩原外交史の編纂経緯と『幕末外国関係文書』