内容説明
あの時、10歳のぼくは見た。これが戦争に負けたこと。信じていたものが、いともあっけなく崩れ去ること。そして、生と死が常に隣り合っていることを。
目次
松花江を越えて―八月十四日未明、無蓋車に乗って横道河子から逃げ出す
陶頼昭の夜―八月二十三日から九月七日までソ連兵から受けた略奪と暴行の日々
新京到着―九月七日・新京神社・白菊小学校・豊楽路の木材会館へ
棄民=四等国民を生きる―長春での避難生活・街頭での物売り
日本人狩り―九月末にレストラン開業
日僑俘=日本人捕虜
雪の朝の別れ―十一月ターニャと
半風子は知っている―発疹チフスに怯える日々
追いかけてくる死者の母音―緑園で見たこと
新しい年に―一九四六年正月
兄の日記抄―吉林から老爺嶺を越え長春への決死行の記録
春節吉報・ソ連軍撤退―二月から三月へ
共産軍入城―四月、兄・芳樹義勇兵にとられる・伝染病院へ
中央政府軍長春奪還―四月下旬
黄昏の別離―兄・芳樹と高燕翔・李浩全との別れ/胡蘆島から佐世保へ―六月二十日長春離脱・帰国まで
著者等紹介
山本直哉[ヤマモトナオヤ]
1935年10月25日東京生まれ。屋代東高校・横浜市立大学(文理学部文科国文学専攻)卒。信濃毎日新聞社を経て、長野県の公立高等学校と、私立高等学校教諭を歴任。中国河北省の重点大學・河北大学の外文系日本語講師。現在は退職し作家活動中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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