内容説明
“幻視者たち”がさすらうめくるめき文学草子。著者初の書き下ろし小説集。
著者等紹介
鈴木創士[スズキソウシ]
1954年、神戸生まれ。フランス文学者、作家、ミュージシャン(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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qoop
5
著者がランボーやアルトーら個性的な作家たちの分体になり切るという体裁で書かれた短編集。コンセプチュアルな、といってしまっては軽すぎるが、しかし単に一人称で綴ることとどう違うのか。例え著者自身の状態が没我であったとしても、正直その違いは分からなかった。幻視者が幻視者を幻視する溶融感に浸るべきなのだろうが。2021/03/05
まどの一哉
2
芥川と百閒、ランボー、足穂、ペソア、アルトーら文人の周辺あるいは本人に憑依して彼らの人生の一瞬を生き直す。絢爛たる言葉のつながりで魅了する短編小説集。 「芥川龍之介の家は高台にある大きな屋敷であったが、屋敷全体を取り巻く空気はどこかしらもやもやとしていた。」この冒頭の一文を読んだだけで猛烈に読みたくなってしまった。詩魂乏しい私なのでイメージ豊かにめくるめく繰り出される言葉の連鎖に、はたしてついていけたかどうか自信はないが、それでも読んでいて脳内に快感が走る文章だった。2020/02/25
kentaro mori
2
「離人小説」とは言い得て妙。人物みなペソアのようにみえてくる。2020/02/15
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