出版社内容情報
国策の模範村は、小説や映画を含むメディアにどう描かれ神話化されたのか。満州分村が行きついた苦難の結末までの虚像と現実を検証。国策として満州開拓が進められた時代、村を二分して入植する単独分村を決め、短期間で人員の送出を実現、全国でも模範とされたのが長野県東部の山村、現佐久穂町の大日向村です。満州への分村促進のため、写真誌や小説、映画、演劇など様々なメディアに喧伝されることにより、「理想郷」として神話化されていきました。メディアの中で大日向分村がどう描かれ報じられたのかという視点から、理想とうたわれた分村の虚像と実態を検証します。大日向村の開拓団本隊送出から今年で80年。夢破れ、想像もしなかった苦難の帰還を経て、軽井沢に新たな定住の地を得るまでの道筋を、地元でも記憶が薄れゆく中で改めて問い直します。
満州分村‐プロローグ
満州分村大日向
・大日向村の分村計画
・満州大日向村の誕生
語られる分村計画
・単村分村という報道
・単村分村という神話
描かれた大日向村
・小説『大日向村』
・新劇「大日向村」
描かれた満州大日向村
・満州へのまなざし
・映画『大日向村』
描かれる母村と分村
・その後の信州大日向村
・紙芝居「大日向村」
描かれる軽井沢大日向―エピローグ
主要参考史料・文献/年表/あとがき
伊藤純郎[イトウジュンロウ]
著・文・その他
内容説明
国策の模範となった南佐久(長野県)の寒村。メディアの中で、どう称賛され、語られたのか?そして、過酷な結末へ…小説、新劇、映画、紙芝居にまで描かれた虚像と実像を冷静な視線で見つめ直す。
目次
満州分村―プロローグ
満州分村大日向
語られる分村計画
描かれた大日向村
描かれた満州大日向村
描かれる母村と分村
描かれる軽井沢大日向―エピローグ
著者等紹介
伊藤純郎[イトウジュンロウ]
1957年上伊那郡高遠町(現伊那市高遠町)生まれ。筑波大学人文社会系歴史・人類学専攻長・教授。博士(文学)。専門は日本近代史・歴史教育学。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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Ryosuke Kojika