内容説明
昭和20年8月20日夜半。静岡県磐田市の鮫島海岸に、飛行機が不時着した。終戦直後、マッカーサーの軍使派遣命令により、降伏軍使を乗せて飛行した日本海軍の一式陸攻機である。マッカーサーの命令で、機体を白く塗り緑十字マークを表示していた。マニラでの会議を終え、一刻も早く結果を復命すべく、沖縄県伊江島を離陸し、夜間飛行で東京に向かった。しかし、復路の途中、磐田市の鮫島海岸に予期せぬ不時着を遂げる。緑十字機は何故不時着したのか。派遣命令から任務完遂までの7日間の記録。
目次
第1章 緑十字機、鮫島海岸に不時着す(開かれたタイムカプセル;混乱の中の日本;マッカーサーからの命令書 ほか)
第2章 「検証」緑十字機、不時着の謎(翼端掩護機だった一番機;検証1 伊江島での給油;検証2 燃料切れは、どのようにして起こったのか ほか)
第3章 資料(回想録・証言集)(回想録 搭乗員;軍使;軍関係者 ほか)
感想・レビュー
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buchi
2
昭和20年8月20日夜。静岡県の海岸に飛行機が不時着した。一式陸攻を真っ白に塗り替え、緑色の十字を塗装した機体。実はマニラ会議を終えて終戦協定書を東京に持ち帰る降伏軍使達を乗せた飛行機だった。一刻もはやく東京に持ち帰らなければ再びアメリカとの戦闘が始まるかも知れない。また一方的に日ソ不可侵条約を破棄したロシアが北海道に侵攻してくる。歴史の表舞台の記録に埋もれた若者たちの秘密で決死の作戦があった。なぜ不時着に至ったのか?2章の著者の考察も興味深い。これは是非聖地巡礼にも行ってみたい。2018/12/07