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サンチョ・パンサの帰郷 - 石原吉郎詩集

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  • サイズ B6判/ページ数 144p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784783735151
  • NDC分類 911.56
  • Cコード C0092

出版社内容情報

思い出そうとしているのだ
なんという駅を出発して来たのかを
(「葬式列車」)

過酷なラーゲリ体験を経て帰国した詩人が、失語と沈黙のはざまで書き記しえたもの――。名篇ぞろいの第1詩集が、1963年初版時の装いでよみがえる。未来へ継ぐ、復刻版。資料集16頁添付。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

夜間飛行

68
シベリアで見た脱走者の銃殺。《ふりあげた鈍器の下のような/不敵な静寂のなかで/あまりにも唐突に/世界が深くなったのだ/見たものは 見たといえ》《ずしりとはだかった長靴のあいだへ/かがやく無垢の金貨を投げ/われらは いま/その肘をからめあう》。肘をからめあうのは強いられた行為なのだ。連帯ではなく服従の鎖を作って生きのびる姿。私はこの詩から、詩の中にある自由とは何かを考えずにはいられなかった。それは現実を何度でも確かめ直す自由ではないか。少なくとも私は、今この現実を生きる自分を身体ごとつかみ直すことができる。2018/08/12

V.I.N.O

5
単語一つ一つが目に耳に心に突き刺さる。「そこにあるものは そこにそうしてあるものだ」(事実) 「君の位置からのそれが 最も優れた姿勢である」(位置) とにかく石原吉郎の詩にはこそあど言葉が多い。果たして「それ」「これ」が何を指しているかわからぬまま、石原吉郎は言葉を強く断定する。これが魅力の一つでもあるのかな。とにかく枕頭の書にする。2016/08/15

三柴ゆよし

4
「位置」「条件」「葬式列車」「デメトリアーデは死んだが」「サンチョ・パンサの帰郷」。2020/01/08

有沢翔治@文芸同人誌配布中

2
 石原吉郎はシベリアに抑留され、強制収容所の体験を詩に現した。例えば「脱走」などは直説的に題材を取っているが、「コーカサスの商業」などもシベリアの体験がもととなっていると窺える。また「サンチョ・パンサの帰郷」でもシベリア抑留からの生還を、ドン・キホーテの登場人物になぞらえた。そのせいか未来は明るく描かれていない。 https://shoji-arisawa.blog.jp/archives/51533028.html2024/03/09

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1
評する言葉もいらないほどよかった。次は『望郷と海』を読みたい。2024/01/30

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