- ホーム
- > 和書
- > 文芸
- > 海外文学
- > その他ヨーロッパ文学
内容説明
放射能汚染された地球から火星へと飛び立った宇宙船アニアーラ号は、不慮の事故により、琴座にむけて永遠に宇宙をさまようことになる―。孤独な航海の物語に、新旧約の聖書や数々の神話を重ね、科学用語や独自の造語を散りばめて創りあげた壮大なる詩世界。1974年ノーベル文学賞受賞詩人の代表作。
著者等紹介
マーティンソン,ハリー[マーティンソン,ハリー] [Martinson,Harry]
1904年スウェーデン生。詩人、小説家。16歳から21歳まで火夫として世界各地を回り、キップリングやスェーデン初期プロレタリア文学に親しむ。詩集『幽霊船』(1929)でデビュー、『放浪者』(1931)等で高い評価を得る。1949年スウェーデン・アカデミー会員となる。長篇叙事詩『アニアーラ』(1956)で1974年ノーベル文学賞受賞。1978年没
児玉千晶[コダマチアキ]
上智大学卒。1984年渡瑞。1988‐1990年ルンド大学史学科修士課程に在籍、1999‐2001年ヨーテボリ大学日本語学科訪問研究員。延べ8年間ストックホルムを含むスウェーデン各地に滞在。スウェーデンと日本の比較文学研究により名古屋大学大学院にて修士号取得(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴィオラ
7
僕の本読みの先生というか、そういう人に「これ、知らなかったよ」と言われたいがために、重箱の隅をつつくような本の選択をたまにするのだけれど、たいてい先に読まれていたりして己の力不足を思い知るのだが、この本とかは「読んでないかもしれないが、読む気もないかもしれない」という本末転倒な感じ。 いや、詩とか叙事詩とか、イマイチ楽しみ方が分からないけれども、SF好きならチェックしといてもいいかも。世代宇宙船とか懐かしいと思っちゃう世代の人も、久しぶりにこういう話を是非。2014/12/04
刳森伸一
5
放射能で汚染された地球から植民地の火星に向かう途中で進路から外れ、琴座に向かって漂流することになった宇宙船とその乗組員の顛末を描く宇宙叙事詩。現在のAIシステムを彷彿とさせる「ミーマ」とそれに依存する人々や、新興宗教とその教祖の勃興と衰亡などが詩的で静謐な言葉によって語られる。深淵へ向かって突き進むしかない宇宙船の中で生きざるを得ないという絶望、孤独、不安、喪失、虚無、それらが鋭い刃物となって胸に突き刺さってくる。2021/05/01
aki
2
映画のほう。重いわあ。8000人の乗客・乗員を乗せた、火星へ向かう巨大宇宙船に事故が起こり、軌道を外れる。燃料をすべて放出したため、元の軌道に戻れない。空気、水、食料はあるので、生きていくことはできるが、火星へ行けない、あるいは地球へ戻れないとなったときに人々は何を考え、どのような行動をするか。系統としては『宇宙の孤児』『ノンストップ』など恒星間宇宙船の物語かな。だいたい予測した通りの顛末。主人公の女性は巨大AIを操作し、乗客に地球の情景を3Dイメージで見せる案内人。ふんだんに裸が出てくるが、色気はなし。2021/08/29
oryzetum
1
SFの小説や漫画はよく見かけるが、SFの叙事詩となると本書以外に僕は知らない。内容としては地球が汚染されてしまったため、火星へと向かう移民宇宙船が、事故で琴座(どうやらギリシア神話のオルペウスを表象しているらしい)方向へ漂流することになり……というもの。神話的なモチーフが多数織り込まれているため、100%読み取れたかというと自信は無い。2023/12/11
FlowerLounge
0
ちょっとよくわかりませんでした。☆32015/06/20