内容説明
あの1960年代、アメリカ横断旅行をしながら、詩人は、ベトナム戦争下、没落していくアメリカのイメージを幻視する。世界を自己の内面へと包括するその手腕は、現在において最も刺激的である。ギンズバーグの本邦初刊行詩集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
としん
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必要に迫られて再読。(LSD)――(ロンドン)。ベトナム反戦とドラッグへの耽溺。ジャンキーの視る世界。イキすぎ。お勧め。2012/07/21
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すごい作品。ベトナム戦争の「新聞」や「テレビ映像」の「声」を様々に織り込ませることで、「湾岸戦争は起こらなかった」(ボードリヤール)を遥かに先取りする形で、「幻影の戦争」を浮かび上がらせている。現代においての「戦争」をどのように語るべきか、それは「戦争詩」にたやすく反転してしまう「反戦詩」には回収されない強度を担保するのは、「詩人」自身を徹底的に客観化、パロディー/イロニカルに自己を解体させてゆく方法論もそうだろう。今現在の方がこの詩をリアルに感じるのがとにかくやばい。2021/11/17