内容説明
シガニー・ウィーバーはエイリアンとたたかい、中原中也はパリの街をあるく…猥雑きわまりない散文の海に網を投じて、捜しだす、詩。どこでもない場所にたつ詩人の自在な作品群。
目次
女優と詩論とエイリアン
Beatrice,who?
BLISS
パリの中原
香水
ゴヤと生牡蛎
レンブラントの自画像
ベックマン氏の「夜」
水浴市民
薄情
ジュネーブ雀
9.11以降のカント
Krakow・POLAND
噤みの午後
中年ミューズ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かふ
14
最初のエイリアンの詩でハマった。エイリアンの世界にワープする詩で他者の言葉は全てエイリアンだからそれとの格闘から詩は始まるというような。ポップなメタフィクション系の詩で好みだった。だいたいが妄想的な過去の詩人や芸術家と対話するような詩でわかりやすいと言えばわかりやすい現代詩であった。作家の高橋源一郎、歌人の穂村弘系の詩人で谷川俊太郎の名代として国際詩人フェスティバルに参加した人でもある。その体験が『偽詩人の世にも奇妙な栄光』を書かせたと思った。わかりにくい現代詩を誰にでもわかりやすく提供する。2025/01/16
烏山千鳥
1
写実的な言葉で現実のような夢、もしくは夢のような現実を描く。尊敬する過去の人物との小さな小さな対話。とても面白い詩集です。「水浴市民」がとくに好き。2012/08/07