内容説明
ささくれだった時代のなかで、著者が奏でようとしているのは、不敵なまでとぎすまされた真新しい物語への挑戦である。あろうときには不在を、あるときには非在の感覚を漂わせつつ、にもかかわらず、どこかに甘美な体温も忘れない。この世がどんなふううにしょぼくれていたって、あるいは無視してかかろうと、著者固有の長時間はしたたかに健在で、今宵も言葉に満ちる。コリコリした豊穣な不透明感こそ、この詩集の最大の醍醐味である。
目次
Ｋ＆Ｔ（ひゅるるるる；それがチューブのたしなみ；Ｋ＆Ｔ；クール・ダウン；…鳥だろうか ほか）
夕映えの犬（犬よ地図を波うたせよ；咳払いの近く；脚がない；会うはわかれの；わたしは誰？ ほか）
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