内容説明
戦争にも美しいものはあった。空襲の記憶からめざめた愛国少年は、戦後の革命と反革命の裂け目のなかで、しなやかな抒情と思念を育くむ。武田麟太郎を父に、高見順を師に、短かい生涯を足早に駆け抜けた著者の58の詩篇は、類い稀れな稟質に燿く苛酷な存在証明にほかならない。
目次
『記憶のなかの森』(まじりあう声;遠い森が見える ほか)
1954年4月~1959年10月(春;(ぼくが親しくし過ぎると) ほか)
1960年1月~1965年11月(感情教育;強制収容所の夢 ほか)
1970年11月~1978年7月(みどりのなかに…;悪い夢 ほか)