内容説明
著者の手法は、知的で、たのしい。たのしいが、少々怖しいところも迫ってくる。自己の形成をよくよく知りつくしていて、女性の体をもって、体当りのような自己反省をくりかえし、男性が本来持っているような観念の場所にとつぜんに踏み込んできたりする。いわば、思考する力の動きのような霧を吹きかけてきたりもする。そこがまた、ふしぎな滑稽さを生み出し、たのしさを増していることはいうまでもないだろう。
目次
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