内容説明
舞台は江戸の旅館であったり、東京の商店街であったりする。ところが私は妻の車に乗って旅館の焼跡を再訪してみたり、商店街を突き抜けた先きには料亭があり紋付き袴のVIPが重大な会議をやっていたりする。過去と現在、日常と非日常が交錯するブラックゾーン。見事なショートショート仕立ての物語に幻惑されて、読者は手もなく「夢魔」の世界に惹きこまれてしまう。快心の連作詩集。
目次
序詩
馬の牛
Exodus
典礼の顛末
聖杯問題
パンについて
ゼリウス
影
影―あるいは『東亰異聞』
「シュツットガルト行きの国際列車が」〔ほか〕