出版社内容情報
詩を生きる 詩と生きる
詩を書くことに疲れてベッドに横になろうとする時刻、枯葉を踏む音がまっしぐらに近づいてくるのだ。男の家に向かって。はるか遠方から。
そして書斎の窓から大きな頭部をさし入れると、机の上の書きかけの詩稿を読み始めるのだ。熱心に。かれはそのために遠い道のりをやってくるのだ。夜ごと夜ごと。そうして、読み終えると、ふたたび帰っていくのだ。森の奥へ。
(「未明に訪れる者よ」)
「それでもその人とその作品とをほんものと称揚せずにはいられない。詩人中上哲夫とは、なんと幸福な、いまいましい存在であることよ!」(高橋睦郎)。『下り列車窓越しの挨拶』から『ジャズ・エイジ』(詩歌文学館賞)まで、しなやかな抒情あふれる10詩集より精選。路上派の出発いらい半世紀の詩業を一望する。解説=辻征夫、八木忠栄、経田佑介、相沢正一郎
中上 哲夫[ナカガミテツオ]
著・文・その他
内容説明
『下り列車窓越しの挨拶』から『ジャズ・エイジ』まで、しなやかな抒情あふれる10詩集より精選。路上派の出発いらい半世紀の詩業を一望する。
目次
詩集“下り列車窓越しの挨拶”から
詩集“旅の思想、あるいはわが奥の細道”全篇
詩集“さらば、路上の時よ”から
詩集“記憶と悲鳴”から
詩集“アイオワ冬物語”全篇
詩集“スウェーデン美人の金髪が緑色になる理由”から
詩集“木と水と家族と”から
詩集“甘い水”から
詩集“エルヴィスが死んだ日の夜”から
詩集“ジャズ・エイジ”から〔ほか〕
著者等紹介
中上哲夫[ナカガミテツオ]
1939年、大阪市生まれ。主として東京で育った。1960年代、ジャック・ケルアック、アレン・ギンズバーグ、ゲーリー・スナイダー、グレゴリー・コーソなどのビート・ジェネレーションの強い影響下に疾走感あふれる詩を書いて、泉谷明、経田佑介、八木忠栄らとともに“路上派”と呼ばれた。また、諏訪優、白石かずこ、佐藤文夫たちと詩とジャズの朗読を盛んに行なった。詩集は『エルヴィスが死んだ日の夜』(高見順賞・丸山豊記念現代詩賞)『ジャズ・エイジ』(詩歌文学館賞)など10冊(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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