内容説明
自由詩と定型詩の両岸を橋渡す無二の詩人が、成熟期の35年にわたる詩業を精選。目、生、旅、讃、悼、倣の6章に編む。最新詩集までを収めた、高橋睦郎エッセンス!
目次
目 oculi
生 vitae
旅 itenera
讃 laudes
悼 lamentationes
倣 imitationes
詩集“永遠まで”から
著者等紹介
高橋睦郎[タカハシムツオ]
1937年北九州八幡に生まれる。直方、八女を経て門司に育つ。粕屋古賀に二年間療養ののち、1962年福岡教育大学国語国文科卒業上京。多方面の芸術家との交遊を通じて学ぶ。1959年、第1詩集『ミノ・あたしの雄牛』刊。以後、詩集に『王国の構造』(藤村記念歴程賞)『兎の庭』(高見順賞)『旅の絵』(現代詩花椿賞)『姉の島』(詩歌文学館賞)『永遠まで』(現代詩人賞)など多数。短歌、俳句などあらゆる詩形式を試み、小説、能、狂言、浄瑠璃、オペラなど多分野で実作(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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午後
2
最後に丸ごと収録されている詩集『永遠まで』が鬼気迫っている。特に「この家は」と「旅にて」は凄みがある。未生から生へ、生から死へ、死から死後へ、その人間存在のぜんたいを懸けた移り変わりに、単純に線的ではない奇妙な連続性が感じられる。とにかく死のイメージが目立つ詩集だが、死をここまでみずみずしいものとして捉えることばに僕は初めて出会った。2018/05/24
岡部淳太郎
0
やっぱり独特な人だと思う。詩がテーマ別に配置された中で、最後に詩集『永遠まで』のみが独立して置かれているのは詩人自身特別な詩集だと思っているのだろうか。巻末の田原による質問とその答には、示唆されるところが多かった。2017/01/25
bookwrap
0
表現とは自己主張ではなく、自己解放だと思う。 ひろびろとした無への自己解放。 「無」は取り入れるものではなく、立ち上がってくるものではないでしょうか。 詩をみていると、人の死、人の生きた痕跡、足跡をじっと見つめ続ける著者の背が見えてくるような気がしました。2024/06/03
紙狸
0
2015年刊行。「三島由紀夫大人命の御前に白す祭詞」という一編が印象的だった。高橋睦郎さんが、日本の古典に取り組み、研鑽を重ねてきたからこそ、このような作品が書けたのだろう。「自衛隊員等」には「みくにもるおほいくさくみつこら」とルビがふってある。2018/05/19