目次
「のろとさにわ」から
「わたしはあんじゅひめ子である」から
「手・足・肉・体」から
「ラヴソング」から
未刊詩篇 河原の婆
散文
自筆年譜
作品論・詩人論
著者等紹介
伊藤比呂美[イトウヒロミ]
1955年9月13日、東京都板橋区に生まれる。1978年、現代詩手帖賞受賞。詩集に『河原荒草』(2005年、高見順賞)、『とげ抜き 新巣鴨地蔵縁起』(2007年、萩原朔太郎賞、紫式部文学賞)など。90年代後半からカリフォルニアに住み、現在は熊本と往復しながら活動。小説集『ラニーニャ』(99年、野間文芸新人賞)などジャンルを超えた執筆で知られ、エッセイ集をはじめ著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みねたか@
20
90年代以降の詩。言葉に対して挑みかかるような「意味の虐待」や「チトー」。 声に出してみると脳内を挑発されているよう。 『わたしは意味を剥がしとりたい/ あなたは意味を剥がしとりたい』 『言語をうしないたい/ 器官たちも息も声も失いたい』 散文詩「夢みることをやめない」では、夢を語り続けるタクシードライバーと彼を追いかける偏執的な詩人を描く。突然の淫靡さ暴力性、無防備な相手にいきなり襲いかかるように読み手をゆさぶってくる作品が多い。すごい。2018/03/16
くさてる
1
これまでの作品集からセレクトされた、詩と散文で構成されている。抜き出されたものとはいえ、彼女の世界に浸るには十分。もちろん、オリジナルに価値があることは言うまでもないけれど、エッセイでしか彼女を知らない人に、まず詩の彼女を知るきっかけとして読んでもらいたいと思う。詩の力、とりわけ巫女的な神憑りささえ感じる女性の力が伝わってくる作品は好き嫌いが分かれるだろう、しかし、それだけの鋭さを持ちえないものが、果たして詩といえるだろうか。すさまじいまでの、言葉の力が息づいている世界だった。2011/09/30
KUAD
0
流し読み。「わたしはあんじゅひめ子である」は面白い。2012/01/23
佐々木雅弥
0
言葉で人は殺せるのだと思った。痺れたので続刊を求めた。全盛期の伊藤比呂美はまるでノイジシャンのようだ。
Reidemeister_Roseman
0
ブルース・ナウマンに興味があるため、「意味の虐待」に興味を持った。言語についてかなり理論的にとらえているようなフレーズが散見され、それ自体は個人的には好感を感じたが、時折あまりに直接的に関心を出しすぎているように思える部分もあった。おそらく好きな類いの本ではあるが、本当に好きなのかと問い詰められると自信が無くなるかもしれない。2023/07/29