内容説明
自然界における創造性の原理。素粒子から人間の精神に至るまでの、成長・進化の構造と基本的原理を、対象性の破壊=出現という着想によって鋭く捉える。対角線の科学第2弾。
目次
1 問題の提起
2 厳密な意味での対称について
3 反対称の進化論
4 宇宙に遍在する反対称
5 右と左
6 逆エントロピーの働き
補遺 社会と芸術における反対称の役割について
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
猫丸
11
再読。1991年当時の自分の書き込みが残っていて、けっこうちゃんと読めているのがわかる。エラいぞ私。鏡像異性体というものがある。化学組成は同じでも立体構造が異なる化合物。旋光性が異なるのは物理的構造から当然として、生理学的性質が大きく違うのが面白い。このへんを高校の化学で知っていたら自分の専攻は変わっていたかもしれない。上下の非対称は重力の作用だから自然だし、前後についてはある程度高等な生物の知覚特性として理解できる。が、左右はどうか。第一に人間の脳が非対称である。カイヨワはこの差異こそ重要とする。2021/03/14
hachiro86
0
対称のくずれとエントロピーの問題をつないだ名著2009/09/22
ミスター
0
カントの偉大さがわかる本2019/04/16