- ホーム
- > 和書
- > 人文
- > 哲学・思想
- > 構造主義・ポスト構造主義
内容説明
カイヨワ学の新しい出発。蝶の紋様や昆虫の擬態が真に意味するものは何か。既成科学の枠組を越える大胆な発想によって、自然と人間の本質を抉りだす対角線の科学。
目次
問題提起(対角線の科学;擬人主義に関する短い覚え書)
自然に復原された人間―ウスバカマキリについておこなったある研究について(紋様か構想か;対比と類似)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
dilettante_k
2
カイヨワ中期(60年)の著作。『神話と人間』(38年)で著者のデビューを飾った、ウスバカマキリの生態と人間の文学的虚構化の等価性を敷衍。本書では、進化のうえで対蹠的に位置づけられる人間と昆虫(主に鱗翅目)の間に「斜線」を引く。昆虫の擬態、とりわけ眼状紋に、人間におけるメドゥーサの神話や呪術における仮面とを結び付け、生物における根源的な円環恐怖ともいうべき共通項を引き出す。効用の観点では、一見無用ともみなされる生態から、細分化された「種」の間にある宇宙的原理を析出する。カイヨワの「対角線の科学」の実践例。 2014/01/13