内容説明
最も有名な森の人、どろ亀さんこと故高橋延清の最後の本。東京JR山手線の三倍の、この広大な樹海を生み出した林分施業法という森づくりの技はいかにして生み出されたか。東大教授でありながら、森が先生であり教室だからと、東京の教壇に一度も立たなかったどろ亀さんの世界観はどのようなものだったかを、やさしく解明。後半は、倉本聡氏、立松和平氏など有名無名の三三氏が、どろ亀さんとの感動の出会いを語った珠玉の追想集。巻頭に関係者多数提供の貴重なカラー写真一六頁分掲載。
目次
1 どろ亀さん、最後のはなし(森はヒミツの宝の山なんだよ;新しいものがいいとは限らないんだよ;どんどん失敗しなさい、叱られなさい ほか)
2 どろ亀さんの森づくり(理想の森づくり―天然林;生きるための森づくり;未来への森づくり)
3 森が泣いている―どろ亀さん、ドイツ酸性雨林地帯を行く
4 解説・林分施業法の過去・現在・未来―ニーズに応じ深化しつづける天然林施業の視点からみた技術論
5 いつしか人は森へ還る:追想どろ亀さん
著者等紹介
高橋延清[タカハシノブキヨ]
1912年あるいは1914年、岩手県沢内村生まれ。東京大学農学部卒、東京大学北海道演習林長、教授、1974年停年退官、名誉教授。この間、生態系と生物多様性を重視した天然林育成の技(わざ)である「林分施業法」をあみだし、北海道演習林を、樹海、富良野の森と呼ばれる生産力の高い日本一美しい森につくりあげる。林木育種賞、朝日森林文化賞、日本学士院エジンバラ公賞等受賞、また映画「樹海」をつくり文部省特選となる。森が先生であり教室だからと、東大教授でありながら一度も東京・本郷の教壇に立つことはなかった。権威や虚飾、金銭には程遠く、「どろ亀さん」を自称して、自らも森の生きものの一員となって徘徊し、森羅万象、山川草木鳥獣虫魚の世界を生きた。2002年1月没。享年88歳あるいは90歳
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fubuki
三原城の守り人