内容説明
明治24年5月、大津で起きた「ロシア皇太子傷害事件」は、驚天動地の出来事であった。凶報に混乱し、ろうばいする当時の明治政府の対応。犯人津田三蔵の裁判に対して、政府圧力に抗する司法側の虚々実々のからみあい。96年前の事件の真相を、当時の資料を披瀝して生々しく伝える。
目次
当時の社会情勢
露国皇太子来遊と造言非語
津田三蔵
花の京都のニコラス
凶事の顛末
受傷後のニコラス
共同謀議説について
凶報とロシア本国
凶報と司法部の活動
明治天皇ご西下
明治天皇の憂慮
京都における御前会議
謝罪使派遣の議
車夫への恩賞
犯人の処刑問題
政府の強行
天下の視聴、大津へ
大審院公判開く
権力の敗退〔ほか〕