内容説明
本書では、欠けているものを補おうとして次々と何かを求める、物質主義的な世俗の現代生活も、実は信仰に根ざすことを、多様な素材を基に解き明かす。
目次
第1章 反デジタル異端(グノシス主義はもう結構;物から対象αへ…そして元に戻る;セックスはやめてね、われわれはデジタルだもの! ほか)
第2章 うんここそあげなきゃ(肛門対象;犠牲と女性の慎み;幻想(キリスト教の)の現実 ほか)
第3章 父よ、なぜあなたは私をお見捨てになったのですか(信じてなくても信頼できる;レーニン主義的自由;なぜユダヤ教徒は偶像破壊的なのか ほか)
著者等紹介
ジジェク,スラヴォイ[ジジェク,スラヴォイ][Zizek,Slavoj]
スロヴェニアのルブリヤナ大学社会研究所の上級研究員
松浦俊輔[マツウラシュンスケ]
1956年生まれ。翻訳家・名古屋工業大学助教授(科学論)
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感想・レビュー
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千秋
1
んーー。自分が無学なのが大きいんだろうけど、文章が適切な意味合いで伝えるための言葉選びというより、「みて!この知識!難解な言い方できるよ!」みたいな感触がある。でもジジェクの著書ではじめてちゃんと心折れずに読み切れた。2020/02/15
発泡スチロール
1
ラカンの精神分析、スターリンに依拠しつつ、現代社会を分析していく2012/08/18
n2-krpn
0
”私が普遍的法を、自分を消滅させうる力を抽象的否定性として実感するのは、私の存在の核に関する偶然的で特異的なアイデンティティに執着すればこそなのだ”p145 第3章は何度でも読み返したい2015/05/24
nasio
0
再読。2009/04/12
0
再読。ジジェク の中ではかなり面白いと思うんだけど。サイバースペースのグノーシス主義に対抗する(ユダヤ-)キリスト教の再評価。例えば、「<永遠>そのもの(「つねにすでにそうなっている」を変えることができるということだ。(…)キリスト教はわれわれに、原初の選択の創造の身振りを反復することを求める」。レーニン(を/と)キリスト教で読み直す「出来事」の強度の吟味。2023/09/02