内容説明
本書は、1997年に行なわれた共同研究プログラム「場所の破壊と再生」の一部を、出版用にまとめなおしたものである。都市を中心とした場所環境にポイントをおいた、日本内外の、さまざまな分野からの研究者同士の、議論と交流の場において、地球全体において都市化が進むなかで、場所環境の持続的な保全と開発をいかに実現できるかを、21世紀の大きな課題として考えている。
目次
序 空間構築にかんする暴力性と野蛮さを超えるために―場所環境デザインについての断章
1 広島の被爆と再生―都市生命体の観点から
2 東京における水辺空間の破壊と再生
3 図説都市・銀座の破壊と再生
4 中国における歴史的都市の保存計画
5 建設が進む統一ドイツの首都―最新版のベルリン破壊か?
6 都市と外国人―建設された形態における暴力の事例
7 トスカナの持続可能な開発のためのワークショップによる宣言・農業と地域開発―地域環境の設計、立案および規制における新基準試行への呼びかけ
8 ヴェネツィアのラグーナの危機とその解決法
9 ユダヤ人の都市―ヴェネツィアのゲットーをめぐる考察
10 迷宮の中のバロック都市―レッチェに関するフィールド研究