内容説明
株式会社の私経済力を市場経済体制のもとでどのように法規制すべきか、これは、現代の私法解釈学に課せられたおおきな問題のひとつである。本書においては、アダム・スミスの「見えざる手」に代って、ネオ・リベラリズムの「法の見える手」による競争秩序の法政策的形成が試みられている。
目次
序論 問題の所在と方法
第1部 基礎理論編(近代法から現代法へ―ネオ・リベラリズム法学の視点から;ネオ・リベラリズムの私法学方法論序説;現代ドイツの私法理論と市場経済;B・グロスフェルト「国際会社法から国際企業法へ」―研究ノート)
第2部 解釈論編(経済力の濫用とコンツェルン法―西ドイツコンツェルン法を中心に;子会社の債権者保護―支配責任の法律構成に対する若干の疑問;株主の新株引受権と資本市場―株主の新株引受権の法定化へのこころみ;改正試案と株主の新株引受権;石油カルテル〈価格協定〉事件上告審判決)