出版社内容情報
地球環境の変化や乱獲、市場の趨勢から天然魚の確保が難しくなっている。本書は水産養殖技術で世界をリードする日本の現状と悩みを著者の実体験のエピソードを交えながら紹介し、日本を代表する水産養殖のプロとして、今後の水産養殖のあり方や課題をまとめたものである。
水産養殖の実態/世界の水産養殖の課題/食料をめぐる問題―地球温暖化と安全性
中田 誠[ナカタマコト]
著・文・その他
内容説明
本書では、水産養殖業界で経験してきた事柄をわかりやすく説明した。将来の貴重な食糧生産を担う産業として、多くの人たちによって進められてきた研究開発の歴史と、現場で汗水たらして働き、美味しく安全な養殖魚介類を生産している人々の努力の一端を紹介している。
目次
1 水産養殖の実態(コイの養殖;ニジマスの養殖 ほか)
2 世界の水産養殖の課題(世界の養殖事情;養魚飼料とモイストペレット ほか)
3 食糧をめぐる諸問題―地球温暖化と安全性(人間はどれだけ食べているか―欲望のままに食べることへの警鐘;異常気象と食糧の確保 ほか)
エピソード 飼料開発に携わって(佐賀の思い出―私の原点;水産大学での思い出 ほか)
著者等紹介
中田誠[ナカダマコト]
1979年に東京水産大学製造学科卒業後、同大大学院水産学専攻修士課程に進む。日清製粉、日清飼料、日清丸紅飼料で養魚飼料の開発に携わり、その間、養魚飼料協会技術委員長として(社)マリノフォーラム21の「養殖システム開発研究会―沖合養殖パイロットファームプロジェクト」への参画や水産庁指定「高品質配合飼料開発検討会議」「環境負荷低減飼料開発会議」の代表委員を務める。2003年に東京海洋大学社会連携推進共同研究センターの客員教授と招かれ、学内外からの技術相談や共同研究支援を担当する。2005年に文部科学省産学官コーディネーターに任命され、海洋研究開発を主体とする産学官連携活動を推進する。2006年に国連食糧農業機関FAOの持続的養殖特別プロジェクト専門家に指名され、現在もガイドラインの作成を進めている。海外での「Encyclopedia of Aquaculture養殖百科事典」や「Marine‐Culture Handbook養殖ハンドブック」等を執筆出版した事から、エクアドル・ベトナム・中国・イタリア・韓国・インドネシア・アメリカ等、海外各国から講演講義に招聘され、数多くの水産養殖の現場に足を運び、養殖の指導に当たっている。2007年にアクアリサーチを立ち上げ、いくつかの民間会社の顧問を務める傍ら(独)水産総合研究センター養殖研究所研究テーマ外部評価委員、農林水産省特許アソシエイト、宇宙航空研究開発機構JAXA特許コーディネーターなどの公的活動や業界紙への執筆活動に忙しい日々を送っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。