内容説明
人名や用語を知っていることと、概念を理解していることは違う。本書の目的は、大学で生物・生命系(医・薬・農などを含む)を専攻する学生が、真に遺伝の概念を理解するための手助けをすることである。これまでにも遺伝の学習書はいくつもあった。この本の特徴は、できるだけ原著論文に当たって説明を加えた点である。
目次
遺伝学のはじまり(メンデルの業績)
雑種第1代(優性と劣性)
雑種第2代(表現型の分離)
雑種第3代以降(遺伝子型の分離)
2遺伝子雑種(独立の遺伝)
遺伝子型の推定(戻し交配と検定交配)
減数分裂(遺伝子と染色体)
性染色体と常染色体(染色体による性決定)
伴性遺伝(遺伝子が染色体にある証拠)
連鎖(同じ染色体にある遺伝子)
組み換えと乗り換え
連鎖地図の作成(染色体に並んだ遺伝子)
核型染色体と唾腺染色体
染色体変異とその利用
集団遺伝の基礎(ハーディ・ワインベルグの法則)
量的遺伝の基礎(回帰)
進化遺伝の話題(ホールデンの法則)
遺伝子の分子的実態
著者等紹介
沢村京一[サワムラキョウイチ]
1987年早稲田大学教育学部理学科生物学専修卒業。1989年早稲田大学大学院理工学研究科物理学及び応用物理学専攻修了。理学修士。1992年総合研究大学院大学生命科学研究科遺伝学専攻修了。博士(理学)。1992年早稲田大学教育学部助手。1995年ケンブリッジ大学博士研究員(ブリティッシュカウンシル短期派遣)。1995年シカゴ大学博士研究員(ヒューマンフロンティアサイエンスプログラム長期派遣)。1998年京都工芸繊維大学博士研究員(日本学術振興会特別研究員)。現在筑波大学大学院生命環境科学研究科講師
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