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出版社内容情報
富樫聖夜[トガシセイヤ]
著・文・その他
内容説明
大国ブラーゼンで人質としての日々を過ごす小国の王女ティアリス。身分の低い母を持つ彼女は、祖国でもブラーゼンでも冷遇されていた。だがある日、ブラーゼンの第四王子セヴィオスに出会う。似た境遇の二人は惹かれあい、愛しあうようになるのだが、セヴィオスの愛はやがて排他的な狂愛に変わっていく。彼の異常な愛に気づかず、王となった彼のために身を引こうとするティアリスは、静かに微笑む彼に強引に組み敷かれ、何度も欲望を注がれて…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
翔(かける)
38
気になりつつも見ないふりをしていたジャンルに手を出してしまった…。執着系乙女文庫?らしいですが、まさに執着が世界を狂わせる内容でした。個人的に好ましかったのは、ヒーローだけでなく、ヒロインも静かに狂っていたということ。吹っ切れてる感じに言い訳がなく、逆に良かったです。自分の意見がないように見えながら、その実自分の欲求を抑圧していただけだったヒロイン。そんなヒロインが作られた背景も納得できるもので、おもしろかったなと。個人的にはもう少し、ヒーローの執着が読みたかったかな?←2017/05/12
でんか
17
安定感のある一冊です。ストーリーもうまくまとめてあるし、文も読みやすい。ヒロインは、お約束の自己肯定ゼロ王女様なので、出だしで読むのを止めたくなったのですが、物語がよくできていて何とか読了。ヒーローは、そんなに狂王ではなかったので、それが残念だったかな。もうちょっといろいろしていただいてよいのですが。割と想定の範囲内の人でした。2017/09/23
さなえ
16
ヒーローが歪んでいるのは当然として、ヒロインも闇を抱えているというのは意外で良かった。でもあの生い立ちで憎んだり恨んだりしていなかったら、それはそれでおかしいと思う。そこに人間らしい負の感情があるのがよかった。二人が歪みをお互いに相殺してバランスとるとかソーニャだから可能なのかな。終わってみると歪みが最小化されていた。でも、お付きの人たちは大変そう。2017/07/08
アズ
15
もうさすがとしか言いようがないほどの安定感。通常流されすぎ、卑屈すぎるヒロインは嫌われるものだが、そこに行き着かないあたりに作者の力量を感じる。その上、時折「これ本当にソーニャ?」と思うような作品もある中、ソーニャらしい世界観を見事に表現している。ただ、ヒロインもヒーローも互いに思い合って行動も言動も優しいせいか、重苦しさはあまり感じなかった。ヒロインの父王達もしくはクーデターを起こそうとした外務大臣の息子が殺される等の生々しい場面があればもう少し重厚感があったかも。しかしそれを差し引いても満足して読了。2017/09/04
もずく
12
とても面白かった!読みはじめは王道で少し退屈な話だと思ってしまった。でも後半の嬉しいの一言から話がガラっと変わって一気に面白くなった。もう少しヒーローの執着と狂気が見たい気もしたけど、面白かった。歪んだヒロインもよかった。箱庭以外はもっと残酷な世界だったらさらによかったかも。2017/07/09