イースト新書<br> ドリーム・ハラスメント―「夢」で若者を追い詰める大人たち

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イースト新書
ドリーム・ハラスメント―「夢」で若者を追い詰める大人たち

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  • サイズ 新書判/ページ数 278p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784781651248
  • NDC分類 370.4
  • Cコード C0230

出版社内容情報



高部大問[タカベダイモン]
著・文・その他

内容説明

犯行の凶器は、「夢」でした。タチの悪い悪意無き共犯者たちによる「夢を持て」の大合唱。その陰に隠れて黙殺されてきたドリーム・ハラスメントという実態。数々のインタビュー・文献調査から浮き彫りになったのは、夢を持てずに苦しむ直接的被害者と、意外な間接的被害者の存在。誰も夢から逃れられないのに、誰も夢の持ち方は教えてくれない。夢に支配されない生き方も提示されない。只々「夢は善」と妄信させるだけ。夢を持てないとヒトは死ぬのか。そんなにも社会は生きづらいのか。教育関係者自らが、教育界の長年のタブーをえぐり出す。

目次

第1章 夢に食い殺される若者たち(どこへ行っても夢まみれの社会;夢はただの後付け物語;夢にねじ曲げられる若者の個性;正解志向と忖度力は当然の帰結)
第2章 職業以外の夢が認められない異常(「夢=職業」という画一的な夢観;曖昧にしてきた夢の定義;職業観の変遷と夢化)
第3章 タチの悪い悪意無き共犯者たち(悪意無き教師と保護者;教師という職業的宿命;教師を動かしたもう1人の犯人;夢は大量生産できなかった日本)
第4章 夢を持たないとヒトは死ぬのか(『夢をかなえるゾウ』の空白地帯;夢を持たない生き方;大きな夢より小さな成功体験)
第5章 それでも夢を持たせたいならば(近くを見よという逆説;夢は宿るもの;実現しても終わりではない夢の続き;夢のある社会への改築こそ大人の仕事)

著者等紹介

高部大問[タカベダイモン]
1986年大阪府生まれ。慶應義塾大学商学部卒。中国留学を経てリクルートに就職。自社の新卒採用や他社採用支援業務などを担当。教師でも人事でもなく、子どもたちを上から目線で評価しない支援を模索すべく、多摩大学の事務職員に転身(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yutaro13

32
いつのまにか夢を持つことが善とされ、夢を持てない多くの若者が苦しめられている。私自身、明確な夢を持っていなかったタイプなので、夢を持つことを強制される苦しさはわかる(就活の「自己PR」や「実現したいこと」の中身のなさといったら)。夢の強制とはいうが、国も教師もキャリア教育の一環として、善意として夢を持たせようとするのだからなかなかタチが悪い。夢を持つことはもちろん悪いことではないが、夢を持たない加算型のキャリア・生き方も共存できる社会こそが「夢」のある社会との意見には同意。簡単ではなさそうだが。2020/10/05

ステビア

26
夢なんてなくてもいいんじゃよ2021/12/15

テツ

20
「人は夢を抱かなければならない。夢を叶えるために生きていかなければならない」 そんな美しい呪いの言葉によって今までどれだけの純粋な若者たちが苦しんできたか(ぼくは不純なので微塵も苦しんでないが) 人は、生物は、たまたま存在してしまったから出来るだけ存在を維持しようとしているだけであって、その中で小さな幸福や快楽でもあれば万々歳な筈なのに、不必要な重荷を背負わせるべきではない。夢を原動力にできる方々が勝手にやる分には構わないけれど、どんな間柄であれその幻想を他者に強いてはいけない。2021/12/15

Satoshi

13
思春期の娘の進路相談する際に疑問に思っていたことを本書は明確に示している。夢なんて様々な形態があるはずなのに、職業的な夢のみがクローズアップされて、若者に強要されていることの異常性。若者に充分な雇用を提供できない社会が若者に責任転嫁するために夢を持てと教育する。2022/01/20

長岡紅蓮

12
僕自身、夢と言われて咄嗟に思い浮かぶ夢がないのでこの本のタイトルを見て心のモヤモヤを晴らしてくれるのではないかと読んでみました。 本来、夢を持つことは他人に強制、強要されることではなく、個人が自由に持つことが許されるものだ(持たないという選択肢もあっていい)。「夢を持とう」というメッセージはとても素敵に思えるが、夢を語ったときの他人からの嘲笑(お前がそんな夢叶えられるわけがない。そんなのが夢なのか)を考えて夢を公言することが憚られたり、夢の不所持や規模から劣等感を抱いてしまうという危険性もある。2020/08/24

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