出版社内容情報
筆坂秀世[フデサカヒデヨ]
著・文・その他
内容説明
なぜ、日本の「二大政党制」は劣化したのか?憲法改正、安保法制など、まるで「一党独裁体制」のように強力に政策を推し進めている安倍政権。批判の声も少なくないにもかかわらず、それにストップをかけるべき野党は離合集散を繰り返し、「野党共闘」も「反安倍」の声を代弁する勢力を形成するにいたっていない。現在の政党は、政策を同じくする者が集結し、その実現のために活動するという本来の目的を見失っているのではないか。元日本共産党幹部が、みずからの経験をもとに語る「野党崩壊」の背景。
目次
第1章 間違いだらけの日本の政党政治
第2章 なぜ自民党は最強なのか
第3章 なぜ民進党に頼りなさを感じるのか
第4章 なぜ「小沢神話」は崩壊したのか
第5章 なぜ共産党がカギを握っているのか
第6章 共産党ブームの落とし穴
第7章 野党につけるクスリ
著者等紹介
筆坂秀世[フデサカヒデヨ]
1948年兵庫県生まれ。高校卒業後、三和銀行に入行。18歳で日本共産党に入党。25歳で銀行を退職し、専従活動家となる。国会議員秘書を経て、1995年に参議院議員に当選。共産党No.4の政策委員長、書記局長代行を務めるとともに、党屈指の論客として活躍。2003年に議員辞職。2005年に離党後、多数の著書出版やテレビ出演などで活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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matsu04
28
共産党の論客だった氏の左翼批判には説得力がある。特に共産党攻撃は手厳しく、関係者らはホゾを噛んでいるのではなかろうか。氏によればそもそも、左翼は人間の理性を信頼し、理想的な社会や国づくりが可能と考えるが、保守の側は、人というのは不完全であって、そのような人間の集まる社会も信用できない、と現実をリアルに見る。だからリアリストの保守が勝つのは当然とする…、うーむ。2016/07/04
トーヘン
3
筆坂さんは冷静なんだけど、情熱にかけるから党で大成しなかったんだろうなぁ・・・難儀だ。内容についてはうなづける部分が多く、読み易い良い本だと思う。「自民党と共産党の組織体制は似てる」は結構面白い視点だと思った。次巻にも期待したい。2016/08/14
金北山の麓に生まれ育って
2
【サクッと面白く読めます】気持ちよく読める、例えば民進党政権とくに鳩山と管および小沢に対する批判(一般的だが文章が切れ爽快)や橋本徹「人気」批判(ネットで読んだ記憶あり、正鵠を射てる)。ただこれだけ言うなら共産党離党前の自説と今の主張とどう変わってきたのかと訊きたくなるのは私だけではあるまい、元共産党員だからこそこれだけ縦横無尽に批判出来るんでしょ?(もしも内容がすべて自己批判だとするならあまりに無責任なんじゃないでしょうか)。2019/08/22
みじんこ
2
野党(主に民主党時代も含む民進党と共産党)について、今年に入ってからの動きも含めて論じている。「一人区撤退の損得勘定」など元共産党議員の著者ならではの視点で現在の共産党についての論を書いており、そういう見方もあるのかと参考になる。現在では一人区は全て統一候補が決まったとはいえ、結局参院選は与党が勝つと思う。三章の最後のマニフェストの話は石破茂『国難』にも同じようなことが書かれていた。七章では野党に対する簡単な提言を述べている。「増税中止ではなく税率の引き下げ」などは一時的にでもいいのでやるべきではないか。2016/06/12
さきこ
1
筆坂さんによる共産党への愚痴(笑)なんとなく共産党は一貫性があるというイメージだったけど、それが勘違いと気づかされる。国民は政策実現を期待して共産党に投票してないとは、確かにそうかもしれないけど、それを言ったらオシマイでは…2016/07/27