出版社内容情報
森鷹久[モリタカヒサ]
著・文・その他
内容説明
二〇一四年七月、厚生労働省と警察庁により「危険ドラッグ」と名称を改められた脱法ドラッグ。街で容易に入手でき、事件・事故が相次いでいるが、法規制をくぐりぬけ、十数回モデルチェンジを繰り返し進化した脱法ハーブは、覚せい剤よりも危険だとされている。このドラッグが若者中心に中高年まで関心を惹きつけている主な理由の一つは、セックスでの快楽。問題を理解する鍵は、「脱法」という言葉にある。本書では、関連業者に取材を重ね、製造工場にまで潜入。初めて脱法ドラッグ問題の全貌を明らかにした、緊急書き下ろし出版。
目次
第1章 起きるべくして起きた「事件」
第2章 脱法ハーブとは何か
第3章 ルポ・製造工場潜入
第4章 「脱法」を許容した果てに
第5章 誰が脱法ハーブに手を出すのか
終章 脱法からの脱却法
著者等紹介
森鷹久[モリタカヒサ]
1984年生まれ、佐賀県唐津市出身。高校中退後、番組制作会社を経て出版社でヤングカルチャー誌やファッション誌を編集。その後、フリーランスの編集者・ライターになる。精力的にドラッグ問題やネトウヨ問題を取材し、若者の文化・生態全般に詳しい(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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澤水月
20
知人がハマり廃人に…良かった。今の「本当に何入ってるか製造者にも販売者にも解らず、ひと吸いだけでオチ失神→事故」前で。殺さず。「裸で飛び降り辺り壊し大便食べる」「腹捌き内臓引き出し外走り回る」…シャブ常習でなく軽く「ハーブは自然」「脱法ならいいモノ」と手を出した、半グレでも暴力団でもない人々が最短に堕ちた道。シャブや大麻はドラッグとして歴史が古く警察医療も対処できるが脱法はマジヤバ、葉っぱに効果まだらな物質吹き付けか粉そのもの。バイがヤバすぎとやめるんだから相当。あえて「脱法」の語で危険知らせる良書2014/11/25
くさてる
16
脱法ハーブから危険ドラッグへと名称こそ変わったものの、本質的な恐ろしさは変わらない薬物。その歴史と正体に、体当たりルポで迫っていく著者の体験に強く引きこまれた。そのルポも、けしてカッコ良いものではなく、何度もためらい迷ったり失敗した経緯も書かれているので、余計に重みを感じさせる内容になっている。なにより、危険ドラッグが日本で蔓延する理由とその結果の部分が衝撃的で、重かった。しっかりした読み応えのある本でした。2014/12/26
いまちゃん
8
危険ドラッグ(脱法ハーブ)の潜入レポなどが書かれています。「脱法」って書くとギリギリセーフな印象があるし、ハーブって書かれているとまだ麻薬とかよりはマシなイメージがあるけど、実状は天と地ほどの差があってかなり危ない!まさに馬鹿しか使わないクスリ。読んでいて怖くなりました。今使っている人には直ちに治療を開始して欲しいと思いました。2014/11/28
みじんこ
8
危険ドラッグとは何なのか、製造業者や工場、販売店などに取材をしてその正体に迫る。以前は「脱法ハーブ」と呼ばれていたこともあり、ハーブというからには植物性のものかと思っていたが、実際の成分は化学薬品だと知って驚いた。規制されても今度は薬品の化学式が変わり、より危険な薬が売られる。ゆえに医者も対処できない。こんなものが日本社会に蔓延しているのは非常に危険なことだ。「脱法」という言葉に騙されてはいけない。製造・販売業者は金が第一のようだが、このような汚い商売を白眼視するような社会にしていくことも必要だと言える。2014/10/27
み
4
脱法ドラッグの恐ろしさがギュッとつまった1冊です。特に脱法ドラッグに溺れた婚約者を亡くした女性の話が痛々しかったです...脱法ドラッグに限らず薬物は、使った本人だけではなく、家族や恋人の人生をメチャクチャにするということを忘れてはいけないですね。それと筆者の行動力には脱帽です。脱法ドラッグ製造工場への潜入取材など、その行動力には驚かされました。2015/02/01