出版社内容情報
◆第一句集
退職はスタートなりし日記買ふ
この句集『輝く子』は、三十八年間続けてこられた教員生活…◆第一句集
退職はスタートなりし日記買ふ
この句集『輝く子』は、三十八年間続けてこられた教員生活にピリオドを打たれたのを区切りとして上梓されたということだ。題名も啓子さんの言葉を借りると「今まで『輝く子たち』に囲まれて過ごした教員生活の思い出として」付けられた。
（序より・稲畑廣太郎）
◆自選十句
進路まだ決まらぬ生徒極暑来る
新米の粥にはじまる離乳食
ラグビーの風まで敵にまはりたる
春一歩進めば一歩後ずさり
黄落や教室一つづつ灯り
風五月こぼるるものはみな光り
国語より算数よりも兜虫
野遊のやうな授業となりにけり
わが旅の先へ先へと鰯雲
夏休近づくほどに輝く子
序句・稲畑汀子
永遠の輝き─序にかえて─・稲畑廣太郎
第一章 風の章 （昭和五十四年?平成六年） 15
第二章 地の章 （平成七年?十七年） 51
第三章 空の章 （平成十八年?二十五年） 107
第四章 森の章 （平成二十六年?）159
あとがき
藤井啓子［フジイケイコ］
昭和二十九年 神戸市生まれ
昭和五十二年 東京女子大学 日本文学科卒業
昭和五十三年 兵庫県立高等学校 国語科教諭
昭和五十四年 「九年母」入会
昭和六十年 「ホトトギス」野分会入会
平成五年 朝日俳壇年間賞受賞
平成七年 「ああ生きてをり」三十句 日本伝統俳句協会新人賞受賞
平成十二年 「ホトトギス」同人
平成二十二年 「円虹」入会
平成二十七年 「遠野物語」三十句 日本伝統俳句協会賞佳作 第五席受賞
平成二十八年 朝日俳壇年間賞受賞
兵庫県立高等学校退職
目次
第１章 風の章―昭和五十四年～平成六年
第２章 地の章―平成七年～十七年
第３章 空の章―平成十八年～二十五年
第４章 森の章―平成二十六年～
