懴悔録―我は如何にしてマゾヒストとなりし乎

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懴悔録―我は如何にしてマゾヒストとなりし乎

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  • サイズ B6判/ページ数 280p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784780801255
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0095

出版社内容情報

●内容紹介(版元ドットコムより)
戦後最大の奇書『家畜人ヤプー』の著者・沼正三、ついに逝く─

●沼正三がその死の直前までSM専門誌「S&Mスナイパー」(ワイレア出版、現在は休刊)に書き続けた実体験エッセイ、「ある異常者の体当たり随想録」から選集。

●未完の短編小説「化粧台の秘密」、2006年に受けた生前のインタビューを特別収録!!

●目次(版元ドットコムより)
はじめに●マゾヒズムの星 志賀信夫

●沼正三、マゾヒズムを語る
イントロダクション◎沼正三の歩んだ道
インタビュー◎「私は、女性のマゾヒズムは信じられない」

●懺悔録
◎ただ、いちずにMのために
◎燃えたぎる奉仕精神
◎〝まごころあんま〟末
◎谷崎潤一郎の足崇拝について
◎屑屋商売のころ
◎私は、もう四十一歳にもなっていた
◎醒めるために飲む酒
◎五時からマゾヒスト
◎バア『幸』にて
◎ママと私だけの秘密
◎マゾヒストの異常な恋
◎森本佳子の秘めたサジズム
◎兄へ宛てられた手紙
◎真理は常に光栄ある孤立の側にある
◎垢と埃と汗の混じったビール
◎マゾヒストに自信と勇気を
◎私を深く埋めてもらいたい
◎「ツバちょうだい」
◎回想・汲み取り式便所
◎マゾヒスト仲間を求めて
◎百万人もの女性のエキス
◎死を命じるマゾヒズム
◎使用人であることの至福
◎コプロ趣味について
◎やりばのない自問自答
◎異常性欲者の孤独
◎箕輪祥子という女性
◎兄としての私、弟としての私

●未完小説「化粧台の秘密」


●版元からひとこと(版元ドットコムより)
 「S&Mスナイパー」というSM雑誌の編集をやっていました。昨年で同誌は休刊してしまったのですが、最終号が発行された翌々日、沼正三さんが亡くなったことを知りました。
 「ある異常者の体当たり随想録」というエッセイを、20年間連載(本名の天野哲夫名義で)していただいていました。毎月、A4サイズの素っ気ない茶封筒が編集長宛に送られてきます。新潮社の原稿用紙に、線の細い、綺麗な文字がいっぱいに書かれていました。
 内容は、女の足を舐めたい、とか、女性の吐いたツバを味わいたい、とか、お尻の下で窒息したい、とかです。伝説の奇書「家畜人ヤプー」がマゾヒスティックな妄想世界を描いているのに対し、このエッセイでは徹底的に自らの実体験を描いています。
 連載は06年に終了しました。その間、沼さんは己の恥部をさらけ出し続けました。印象的な一文を引用します。

 「吸ってあげるね」
 そういって、唇を当てた。佳子は後ろ手に手をついたまま両足を持ち上げていた。私はしたたるビールの雫をハンケチの代わりに唇と舌で吸い取った。足の裏の皮膚は堅くて頑丈で、足指にタコができていた。そこを噛むとビールの雫の味がした。その味に、垢と埃と汗の臭いがまじっていた。
 上目遣いに見上げると、彼女は無表情だった。しかし、注意を一点に凝らすように、このさもしい動物のような一人の男の行為を、好奇心を交えて熟視していることがよく分かった。
(「垢と埃と汗の混じったビール」より)

 マゾヒストって、きついなあ、寂しいなあ、と思います。好きな人にも、軽蔑されなくてはならないのです。それが悦びだから。
 このエッセイ集は、そんな矛盾に、沼さんが最後まで、もがき、苦しみながら書き続けた、マゾヒストの執念がこもっています。
 軽い気持ちで「私Mだから」とか言ってるうら若き女性に、是非とも読んでいただきたく存じます。
(担当編集者●高橋大輔)

内容説明

尽きせぬマゾヒズムへの渇望。異常な実体験を書き綴ったエッセイ集。未完小説&生前のインタビューを収録。

目次

1 沼正三、マゾヒズムを語る(イントロダクション・沼正三の歩んだ道;インタビュー・「私は、女性のマゾヒズムは信じられない」)
2 懴悔録(ただ、いちずにMのために;燃えたぎる奉仕精神;“まごころあんま”顛末;谷崎潤一郎の足崇拝について;屑屋商売のころ ほか)
3 未完小説「化粧台の秘密」

著者等紹介

沼正三[ヌマショウゾウ]
1926(大正15)年、福岡市生まれ。本名、天野哲夫。旧制福岡商業を卒業後、満州特殊鋼鉄株式会社に就職、帰国して海軍に入隊。復員後は、風俗誌にマゾヒズムをテーマにした原稿を投稿する傍ら、数々の職業を遍歴し、1967(昭和42)年、新潮社に入社。同社校閲部に勤務しながら、小説・エッセイを書き続ける。風俗誌「奇譚クラブ」の連載をまとめた『家畜人ヤプー』が戦後最大の奇書として話題となる。2008年11月30日死去。享年82歳(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

magurit

6
うーむ、深いです……。2022/09/04

非実在の構想

2
剥き出しの欲望に圧倒される2020/10/12

一江春水向東流

1
非常真實的受虐狂成長史,但是說實話看到最後有點虎頭蛇尾.2020/07/12

S‐tora

1
◎ 伝説の奇書「家畜人ヤプー」の作者のエッセイと未完の小説。 酷い目に合うためにあらゆる手を使うドMの行動力がとても面白い。2017/06/09

tobermory8823

1
とりあえずマゾヒズムがとてつもなくロマンティックなものだということは伝わってきた。あとタイトルに懺悔ってついているけど絶対に自分の行いを悪いと思ったり悔いたりしていないだろうということもよくわかった。2016/07/24

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