出版社内容情報
難しくなりがちな内容を、死を考えさせられる看護学校の生徒と、先生との間で実際に行われている講座形式で、わかりやすく解説。
「死生学」とはどんな学問でしょうか?
死と生を扱うというと、それは難解な哲学、あるいは宗教なのでしょうか?
「死生学」とは、誰にでも必ず訪れ、しかも、いつ降りかかるかわからない「死」を考えることによって、「いま」とこれからの「未来」を豊かに生きるための、学際的な取り組みです。
1970年代に確立し、これまで主に欧米で研究されてきましたが、日本では、また異なったアプローチが必要ではないかと、著者は常々考えてきました。
というのも、西洋の思想のベースにキリスト教があるのに対し、四季の豊かな日本の風土に根差すのは仏教だからです。神によってあらかじめ「運命」が決まっているという西洋の「キリスト教」の死生観に対し、自分の行いに応じて「禍福」(かふく)が決まるという東洋の「仏教」の死生観は、大きく異なります。
日本人の感覚によりしっくりくるのは、仏教の「死生観」に基づいた「死生学」ではないでしょうか。
本書では、難しくなりがちな内容を、死と向き合いはじめた看護学校の生徒と、その先生との間で実際に行われている講座形式で、わかりやすく解説しています。
「死」を見つめることで、よりはっきりとしてくる「生きる意味」を、古今東西の文学や哲学、とりわけ仏教の死生観(無常観、因果律、自利利他)を通じて、共に考える1冊です。
【はじめに】~最後の言葉~
【第1章 無常を観ずる】─最優先事項に気づく─
1時間目
・死ぬ前に知りたいブッダの智恵 ─大きな「なぜ」を考える─
・いま求められる人とは ─深い死生観を養う─
・よい人生のために無視できないこと ─現状に一喜一憂しない─
・メメント・モリ ─心の声に耳を傾ける─
・一生後悔し続ける一言 ─常に最後の言葉と思う─
・人生の落とし穴を避ける方法 ─他人の知見に学ぶ─
・誰もが逃れられない四苦八苦 ─共通の苦しみに気づく─
2時間目
・実は危ない生き方の人 ─確実な未来を見据える─
・ベルサイユ宮殿の裏側 ─早めに準備を始める─
・典型的な七つの死の恐れ ─人生の課題を見極める─
・死の壁の真実 ─表面だけにとらわれない─
・死後どうなるかの不安 ─苦しみの本質に迫る─
・幸せを引き寄せる無常観 ─余命半年の気持ちで生きる─
死生観を養うワーク
【第2章 因果を信じる】─人生に責任を持つ─ …
3時間目
・人生が一八〇度変わる死生観 ─全生涯を左右する問いと向き合う─
・パスカルの賭け ─死は終わりでないと自覚する─
・幸せを引き寄せる原理原則 ─揺るがない真理に気づく─
・不幸の原因はどこにあるのか ─すべてに責任を持つ─
・人生の疑問を解く鍵 ─因縁の関係を見分ける─
・未来を変える方法 ─事実をアキラカニミル─
4時間目
・日に善し悪しはあるのか ─本当に選ぶべきものを知る─
・正直者は馬鹿をみない ─結果を急がない─
・その親の元に生まれた理由 ─いまの自分を磨く─
・一〇〇回死刑を受ける男 ─三世因果で考える─
・障がいは不幸ではない ─本当の命のつながりに気づく─
・自殺したいという人にどう話すか ─受け入れられるまで待つ─
・何が起きても大丈夫な人 ─正しく意味づける─
死生観を養うワーク
【第3章 利他に努める】─幸せを分かち合う─
5時間目
・幸せを引き寄せる黄金律 ─上手に手放す─
・看護と介護が変わる第三の案 ─相手を田んぼと思う─
・絶望の淵でもできる善 ─貧者の一灯を尊ぶ─
・幸せを運ぶ七つの施し ─にもかかわらず笑う─
・どんなに分けても減らない宝 ─自らローソクになる─
・死の海の教訓 ─自利利他を実践する─
6時間目
・死を前にした人にできること ─もっと関心を示す─
・ポックリ死ぬのはいいことか ─本心に気づく─
・最期の不安と向き合う力 ─苦しみを分かち合う─
・認知症の方も喜ぶコミュニケーション ─偽会話でもつながる─
・配偶者を失う十二の気持ち ─憂う人に寄り添う─
・人生で最もうれしい瞬間 ─大切なことに触れる─
・絆の本当の意味 ─自分しかできないことに取り組む─
死生観を養うワーク
【生徒からの手紙】~最後のギフト~
【おわりに】~明日がなかったら~
【著者紹介】
井手 敏郎(いで・としろう)
アメリカ留学時に出合った『デス・エデュケーション』(死の準備教育)をきっかけに、世界の死生観を研究。
その後、鎌倉時代の古典『歎異抄』に感銘を受け、高森顕徹氏に師事。
各地で『歎異抄講座』を開催するかたわら、仏教をベースとした『死生学講座』に取り組む。
医療機関や介護職員の研修講師、看護学校の非常勤講師も務める。
内容説明
ブッダが説いた、生きる目的を知るための三つの智恵。
目次
第1章 無常を観ずる―最優先事項に気づく(死ぬ前に知りたいブッダの智恵―大きな「なぜ」を考える;いま求められる人とは―深い死生観を養う;よい人生のために無視できないこと―現状に一喜一憂しない ほか)
第2章 因果を信じる―人生に責任を持つ(人生が一八〇度変わる死生観―全生涯を左右する問いと向き合う;パスカルの賭け―死は終わりでないと自覚する;幸せを引き寄せる原理原則―揺るがない真理に気づく ほか)
第3章 利他に努める―幸せを分かち合う(幸せを引き寄せる黄金律―上手に手放す;看護と介護が変わる第三の案―柏手を田んぼと思う;絶望の淵でもできる善―貧者の一灯を尊ぶ ほか)
著者等紹介
井手敏郎[イデトシロウ]
アメリカ留学時に出合った『デス・エデュケーション』(死の準備教育)をきっかけに、世界の死生観を研究。その後、鎌倉時代の古典『歎異抄』に感銘を受け、高森顕徹氏に師事。各地で『歎異抄講座』を開催するかたわら、仏教をベースとした『死生学講座』に取り組む。医療機関や介護職員の研修講師を務めるほか、看護学校で教鞭も執っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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simon
Misato Yoshimura
萌黄色