内容説明
未華は高校三年生。授業で不思議な冒険の旅に出る。その旅とは哲学入門の旅だ。私と人間、人類史、自然史、宇宙史への旅。未華とクラスの冒険の旅がはじまる。
目次
1部 自然さん、私ってどう生きたらいいの(自然―二〇一一年三月一一日・東日本大震災に寄せて;生きかた―丸岡秀子;言葉―井上ひさし;やまとだましい―源氏物語 ほか)
2部 ふしぎな教室真理ってなに(フィロソフィー(哲学)の世界へようこそ―パスカル
徒然草
宇宙・自然・人類史・私
物質のルーツとは ほか)
著者等紹介
山口通[ヤマグチトオル]
1949年生まれ。全国視覚障害教師の会代表(2002年~2010年)。認定NPO法人タートル役員。日本哲学会々員、全国唯物論研究協会々員。元「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」アテンド。共著「教壇に立つ視覚障害者たち」全国視覚障害教師の会編(日本図書館協会選定図書)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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北条ひかり
3
1時間55分。音声デイジー。武蔵野市立中央図書館と音訳者さんに感謝。盲界(妖怪ではなく、盲人の世界?社会?のこと)では有名な先生が書いた本。狭い盲界、読まないといろいろとあるので聴いてみました。リベラル思想こそが真理であることを疑わないのも一つの立場だと思うのですが、これでは哲学ではなくて啓蒙のような気がします。もう少し考えるプロセスについて言及してもらえるとよかったように思います。なんて書いてるのがバレたら、僕は盲界から追放されるかも!?(嘘です。そんなことはないと思います。たぶん。)2016/11/09
きぬりん
0
架空の高校の授業を舞台とした哲学講座。視覚障害の哲学教師徳川とその生徒たちとの対話形式で話が進む。哲学とは自然と人類の歴史と、その背後で社会を突き動かしてきた原動力を正確に把捉したうえで、それを自らの意識・生き方へと反映させようとする世界観であるとの見地から、主に資本主義批判が展開されている。その過程で、意識・死・幸福・神・人間とは何かといった古来の哲学的問題も取り扱われるが、唯物論的・マルクス主義的な枠組を超え出るような視点は周到にほぼ除外されるなど、すべては徳川の掌の上で転がされてしまうのが残念。2023/04/30