目次
団栗
竜舌蘭
糸車
蓄音機
映画時代
銀座アルプス
物売りの声
病院の夜明けの物音
自画像
芝刈
蓑虫と蜘蛛
鳶と油揚
電車の混雑について
日常身辺の物理的諸問題
物理学圏外の物理的現象
自然界の縞模様
西鶴と科学
怪異考
化物の進化
人魂の一つの場合
日本楽器の名称
比較言語学における統計的研究法の可能性について
神話と地球物理学
俳句の精神
連句の独自性
映画と連句
地球を眺めて
天災と国防
著者等紹介
寺田寅彦[テラダトラヒコ]
1878‐1935。東京・麹町の生まれ。父の郷里高知の中学から五高に進学、夏目漱石に英語を学んだ。東大物理学科で実験物理学を専攻、卒業ののちヨーロッパに留学、ついで東大教授。その後、理化学研究所、地震研究所に関係。早くより文筆を好み、漱石の紹介で「ホトトギス」に小品を載せたのを皮切りに、吉村冬彦、薮柑子などのペンネームで数多くの警抜な随筆を書いた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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KAZOO
104
岩波文庫でも寺田寅彦の随筆は読んでいるのですが、このシリーズで再読です。年寄りにとってはこのシリーズは文字が大きくて助かります。様々な分野についての文章が楽しめます。昆虫の「蓑虫と蜘蛛」や「俳句の精神」が作者の分野を飛び出していていいですね。この作者の「天災は忘れたころにやってくる」という言葉は有名ですが、この言葉を書かれていることはなく最後にある「天災と国防」でそこのところが別の言葉で説明されています。2025/01/03
優希
51
科学エッセイにジャンル分けできるのでしょうか。物理や科学の考察からなるエッセイが多かったです。全くわからないジャンルでしたが、興味深く読めました。2022/03/26
優希
35
再読です。学者が書いた瑞草なので難しいですね。物理や科学の考察から書かれているからでしょう。興味深く読めました。2023/10/26
るんるん
29
随筆集。著者の視覚や聴覚の鋭敏さや細かい観察力や描写力が理系の学者さんならではの感覚だなぁと思う。私の理解力では置いてきぼりになる。ずいぶん前に読み始めたのに少しずつしか進まない。でも、時々手にとる。多数は自分の理解し得ないものを「つまらない」と名付けたり・・のくだりも私を本書に向かわせているのかもしれない。鏡を見ながらの自画像、夜の病院の不穏な音や朝をつげる明るい音、の観察が特に興味深かった。自分の顔は鏡をとおしてしてしか見えない。はっとさせられる洞察力が随所にちりばめられていて深い思索へと導かれる。2016/03/06
tsu55
20
科学エッセイというのは現代では珍しくもないが、明治から昭和初期という時代にこのような文章をものする科学者は他にいたのだろうか。 細部を逃さない観察力と繊細な感性は科学者と優れた文章家に共通した素質なんだろうな。2020/06/14
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