内容説明
「支援」における主人公は、助けて欲しいと声をあげた人。
目次
第1部 「何も聞かない」から始める(「いま」に寄り添う;独りぼっちにさせない)
第2部 「安心して困れる世界」をつくる(目の前の命まるごと;なかよしの他人を増やす)
第3部 現状と課題を読み解く―子どもと子育て家族のデータ・研究から(女性と子ども・若者の困難)
著者等紹介
中塚久美子[ナカツカクミコ]
1971年生まれ。1998年に朝日新聞の記者になり、2014年から専門記者(子ども、貧困)。貧困ジャーナリズム賞(2010年)、取材班で2016年坂田記念ジャーナリズム賞など受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とよぽん
55
サブタイトルが「支援」のことばを聞きに行く・・・。幼い子どもを連れて、夫のDVから身一つで逃げてきた女性に食事と居場所を提供して、安心と安全を確保する。そして、新しい生活を始めるために生活保護を申請したり、住居や就労、保育所などを探したりする。大阪の支援の例が特に印象に残った。また、夫婦で働いていても、自営業と非正規職員といった働き方では経済的に厳しいという。根本的な解決策はないのかと考えてしまう。2024/07/28
kitten
11
図書館本。タイトル通り、女性と子どもの貧困を、支援する人たちの取材を通して語っている。ハッキリ、辛い。なんでこんなクソ男ばっかりおるねん?と思う。ウチは恵まれた環境なんだなあ、と。まずは、貧困をなくそう。それでも、以前に比べればまだマシかも知れないが、世論の風当たりは逆にキツくなってる気がするぞ。堂々と生活保護受給しようよ。2025/03/11
Humbaba
3
普通の生活をしたい。それは当たり前ではあるもののなかなか難しいことでもある。何をもって普通とするかも人によって違っているが、少なくともそれから明らかに離れているというものはよくある。しかし、一度生活が定着してしまえばそこから抜け出すことは容易なことではないし、自分一人では無理なことが多い。だからこそ支援が必要ではあるが、それもよく考えてやらないとただの独りよがりになりかねない。2024/11/06
Think
2
支援され応援されなければ、人は自己を回復できないという本。何なら自分で自分の境遇や振る舞いを至らない、愚かだと思っているのに、貧困や困難から脱しようと努力すればするほど、他人から過去の愚かしさを散々指摘されたり、制度の枠におさまらないことで助勢されない立場だと突き放されてしまって、あきらめてしまう人たちを少しでも減らそうという活動をしている人たちの本です。批評する人たちがいるなら応援するだけの立場の人たちがいてもいい、誰もが他人に対して批評家である必要はないということが書いてあります。読んでよかった本です2024/08/23
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