内容説明
『炭鉱(ヤマ)』で写真家としてデビューしてから半世紀。「いのちを見つめること」を作品の根底に据え続けてきた本橋成一の初めてのエッセイ集。
目次
焼け跡の街が原点
モノを捨てなかった父
どこに軸足を置くのか
悟平さんと静夫
いのちを学ぶこと難しい時代
蚊も殺さなかった彼
牛は涙を流すのだろうか
都会で生まれたカエルと金魚
出産の瞬間に見た人間の本質
子どもの価値観受け入れる〔ほか〕
著者等紹介
本橋成一[モトハシセイイチ]
写真家、映画監督。炭鉱、サーカス、上野駅、築地魚河岸、大衆藝能、屠場など、市井の人びとの生きざまに惹かれ写真に撮り続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けんとまん1007
40
これまで、本橋さんの写真集を何冊か拝見していて、自分の感性に近い部分と、新たに刺激される部分の多さを感じていた。その本橋さんのエッセイ。読み終わって、このタイトルの意味を改めて考えた。このタイトルと、中にある「人類の都合を押し付けない」が沁みる。それを踏まえて、どう考え、どう生きていくのか。この答えの一旦が、本橋さんの写真集に現れている。驕り高ぶることなく、寄り添う視線。そうありたいと、切に思う。2022/04/15
スイ
15
炭鉱や屠場、チェルノブイリなどで撮影してきた写真家・映画監督のエッセイ集。 読み終えて、タイトルと写真の示すものに胸が詰まった。 常に心に置いておきたい。 世界はたくさん、人類はみな他人。2021/12/30
Hideki Kamauchi
2
十数年前、この本に収録されているある一文を(webで)読んで震えるほど感動したのです。ダウン症の娘さんが生まれたあとの二日間の苦悩と受容の過程。多くの方に読んで欲しい、本当の名文だと思っているのですが、ながらくwebでは読めなくなっていたので、書籍化は本当に嬉しい。書籍になって1行だけ書き加えられているのですが、それがすぐにわかったほど、原文をなんども繰り返し読んでいたんです(笑)。絶対オススメの一冊です!2019/09/26