内容説明
広島、長崎への原爆投下から72年を経て、初めて核兵器を違法化する条約ができた。その意義、これまでの経緯、核廃絶までの道を第一人者が説く。条約全文(日英対照)付き。
目次
第1章 条約の内容と意義を交渉の経験から見る(核保有国の反発にもちゅうちょせず;全会一致はめざすが多数決で;核廃絶の二つの流れがコスタリカを支えて ほか)
第2章 条約を生んだ世界諸国民の歴史的な闘い(国際政治の「不可逆的な四つの流れ」;NPT再検討会議における核兵器廃絶の「明確な約束」;平等要求が世界を動かしてきた ほか)
第3章 核抑止にしがみつく安倍政権を追い詰める(「四つの流れ」にことごとく反して;オバマの核兵器先制使用見直しにも反対して;市民と野党の共闘は貴重な成果を収めている ほか)
著者等紹介
冨田宏治[トミダコウジ]
原水爆禁止世界大会起草委員長、関西学院大学法学部教授・政治学者(専攻は日本政治思想)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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吟遊
12
2017年、核兵器禁止条約成立のひと月後には出版されていた本。スピードがある。100ページに満たない薄い本だが、巻末に条約の全文が英日併記で載っているのもよい。そこがポイントなのか?という安倍政権批判や、ややミスリードな、感情的な反核メッセージもある。2018/05/12
yo yoshimata
4
今年7月に国連会議で採択された核兵器禁止条約の意義について、一つはその交渉過程、もう一つは日本と世界のたたかいという二つの角度から明らかにしています。わかりやすくよく分かる1冊です。特に、この条約を可能にした世界の流れの解説は、原水爆禁止世界大会起草委員長ならではの筆力を感じます。2017/08/13
ばんぶー
0
いよいよ核兵器が違法なものになる!と7月には喜びましたが、私の理解よりもずっと深く確かな歴史の流れがあることがわかりました。 ぜひ多くの方に読んでいただきたいと思います。2017/11/25
K2
0
地上に原爆が投下されて75年。核兵器禁止条約は3年前、七夕の日に成立し、ついに来年発効することになった。 本書は条約の成立直後に出版されたもので、条約成立に至るまで長年にわたる世界中の反核運動を俯瞰し、今後の見通しと我々にとっての課題を示している。 筆者の冨田氏は95年のNPT無期限延長をひとつの転機と捉える。さらに条約本文を案の段階から何度も邦訳し、その変化から条約制定会議でどのような議論が行われたのかを読み取っている。 もちろん私は発売後すぐに読んだのだが、3年の変化を踏まえても改めて読む価値がある。2020/10/25
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