内容説明
父は自らが隊員であった旧日本軍731部隊の罪状をマスコミに告白し、その2年後に世を去った。父の遺志を受けて、470回におよぶ「語り継ぐ活動」をおこなってきた著者。「憲法改正」が声高に叫ばれ、70年間守られてきた平和憲法が脅かされる今、学びとってほしい戦争の真実を伝える。
目次
第1章 関東軍防疫給水部731部隊員になる(長き沈黙の壁を破って;戦後50年目の偶然 731部隊在任中の写真発見;父の生いたち ほか)
第2章 731の亡霊―私たちは何を学び取るのか(なぜ父が帝銀事件の容疑者に;731部隊とミドリ十字;慰霊の訪中 ほか)
第3章 悲劇を繰り返さないために―教育・学校を考える(良心に従って起ち上がる抵抗の精神;心に刻まれたこと;琴線に触れる教育をめざして ほか)
混声合唱組曲『悪魔の飽食』
著者等紹介
神谷則明[カミヤノリアキ]
1950年生まれ。高校社会科教師として38年間勤務。2012年脳出血で車椅子生活となったが、リハビリの結果、講演活動を再開した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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belier
2
731部隊の軍属だった父の経験を息子が語っている。父は死が近づいたとき、長く秘密にしていた731部隊にいたことを告白し、見聞きした残虐非道な実態を語った。その遺志を継いで著者は語り部として活動している。実際に経験した人の話は生々しく、また知らないことが多いことに気づかされた。731部隊については、詳しく解説された本も読むべきだろうと思わされた。2025/08/26
りんふぁ
1
負の歴史も知っておきたいので。2017/12/30
くろうさ
0
ほんの少し前の事とは思えない。人間とは実に残酷になれるものなのか。当事者のお父様の勇気に感謝したい。2018/05/10