目次
第1部 「子どものに貧困」が見えますか(教育・医療―社会と制度からはじかれた子どもたち;高校中退は自己責任か;いま、定時制高校は―ほころぶ最後の砦)
第2部 「子どもの貧困」はなくせるか(貧困の連鎖を止める「学び」と「居場所」;生活の安定と安心できる居場所を;「子どもの貧困」を受けとめる)
第3部 イギリスで見た子ども支援(親育てと子育て;子どもの貧困を直視する)
著者等紹介
中塚久美子[ナカツカクミコ]
1971年生まれ。朝日新聞大阪本社生活文化部記者。家庭の貧困や学びの格差による高校中退や定時制志願者急増など、子どもの貧困関連報道で2010年「貧困ジャーナリズム賞」(反貧困ネットワーク主催)受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みゃーこ
60
子供時代の貧困が社会に与える損失を証明し、子供の自助努力に任せるのではなく親のミスや職に関係なくどの子供も自尊心とチャンスを手に入れることができる成熟した社会とはどういうものかを考える。どこまでが自助努力の問題で、どこまでが社会の問題に帰すことができるのか。こと子供の問題については、考えさせられた。2014/08/06
こんじろん
21
子供の貧困問題に関して自己責任なんてあり得ない。全ての子供をまともな環境で育てるための費用なんて大した金額ではないだろう。この国はどうもお金の使い道がおかしい。小さな政府を志向しているイギリスで、学校で朝ごはんを食べられるそうだ。2013/04/22
Taka
9
相手はいないけどシングルマザーになるかもしれないと思っている人。貧困は6人に1人。貧困の遺伝。相対的貧困という言葉は知っているが実情は。データをもとに教えてくれる本。無保険の子供。授業料の滞納。定時制高校にすら入れない。子供の努力不足だという声もあるが、まず勉強をするには愛情が必要。自分という土台を持っていないと勉強は難しい。食べ物があって、安心があって、愛があって。3歳児神話というものがあるけど、それはなんとなくわかるし、それが必要としているものが庇護だったり情だったり。働いきながらそれをできるかな。2022/12/29
海
7
最近この手の本を良く読むが、その中ではマイルドな内容だと思った。勉強が満足にできない子どものための無料の塾のような教室で教えているのも元生活保護者という記載があったので、行政が教える側の貧困者に対してボランティアではなく一般的な賃金を払う方法が全国的に確立されればいいのに、と思った。2013/03/26
Humbaba
7
自己責任.これはたしかに平等な考え方ではある.しかし,貧困に苦しむ家庭に生まれた子どもと,豊な暮らしを当然のものとしている子どもとでは,たとえ機会を平等にしたとしても本当に平等にはならない,現在は,教師や有志の協力で何とかしのいでいるが,いつまでもそれに頼ってはいられない.2013/01/04